卓話


イニシエイションスピーチ

2008年9月10日(水)の例会の卓話です。

八木昌実君
上岡榮信君 

メイク・ア・ウィッシュ・オブ・ジャパン

ジブラルタ生命保険蝓ー更毀魄専務
メイク・ア・ウィッシュ・オブ・ジャパン
理事長 八木 昌実君

 本業は,ジブラルタ生命保険でございますが,もう一つの本業である,ボランティア団体の紹介をさせて頂きたいと思います。

 皆様は,メイク・ア・ウィッシュという言葉はご存知でしょうか?日本語にすると「願い事をする」とか「夢をかなえる」と翻訳されますが,米国ではお誕生日のパーティーで,ケーキのろうそくを吹き消す時に「Make-A-Wish!」と願い事をしながらろうそくを消す習慣があるようです。メイク・ア・ウィッシュ・オブ・ジャパンは,ただ一つ,難病と闘う子供の夢をかなえることを目的とした,国際的なボランティア団体です。
 難病とは,現代の医学では治療することが困難な病気,すなわち小児ガン・HIV・白血病等のことを指します。子供の年令は3才〜18才で始まりは1980年に遡ります。

 アメリカのアリゾナで,白血病と闘う7才の男の子“クリス君”の「警察官になりたい!」と言う夢をかなえたのが最初でした。クリス君の夢を聞いた地元警察は,彼を一日警察官に任命し本物の警察手帳やバッジを渡し,クリス君はヘリコプターやパトカーに乗ってスピード違反や駐車違反の取締りをしました。

 その数日後,クリス君は天国に旅立ちました。地元警察ではクリス君を正式な警察官の殉職扱いとし葬儀とパレードを行いました。

 このことがテレビで放映され,大きな感動を呼びメイク・ア・ウイッシュの活動は,その後全米へそして世界へと拡がり,今では世界28ヶ国,夢をかなえた子供たちの数は16万5千人を超えます。

 日本では,その日本支部として1992年からスタートし,これまでに1200人の子供たちの夢をかなえて来ました。一年間に150人の子供たちの夢を叶えるお手伝いをしています。
 
 その活動費は全て個人からの寄付に頼っています。アメリカでの認知率は90%を超えていますのでアメリカ人で知らない人は殆どいませんが,日本ではまだまだ認知度は低く更なる努力をしていきたいと考えております。是非東京ロータリーの皆様のご理解とご協力をお願いいたします。

 さて,皆さんは,一人の子供の人生を架けた夢がかなう場に居合わせた経験を,お持ちでしょうか?それはそれは感動の瞬間です。
 
 日本の子供たちの夢と,海外の子供たちの夢の一番の違いは,海外は物,日本は人,でしょうか。

 一位は日本もアメリカもディズニーランドに行きたい!なのですが,二位以下が大き
く違ってきます。アメリカでは二位にコンピューターが欲しい!三位に思いっきりお買い物がしたい!と言うウイッシュが入ってきますが,日本ではそう言うウイッシュはあまりありません。

 日本の二位は憧れの有名人に会いたい!です。でもアメリカではすぐに実現するこの夢は,日本ではなかなか実現できません。認知度のせいもあってなかなか会ってもらえないのです。夢を抱いたまま亡くなる子供も少なくありません。三位には家族や友達と旅行に行きたい!と言う願いが入ってきます。

 ずっと病院に入院している真也君の夢は山形の実家に帰りたい!と言うものでした。真也君の夢は叶いました。真也君はおじいちゃんとおばあちゃんに会えて本当に良かったと何度も何度も言いながら,その5日後に旅立ちました。

 家族みんなで温泉に行きたい!病院の窓からしか見たことの無い遊園地に行ってみたい!と言う夢もありました。私たちにとって当たり前の,家族で旅行したり,おじいちゃん,おばあちゃんと遊園地に行ったりすることは,メイク・ア・ウイッシュの子供たちにとってはかけがえの無い夢となります。そんなかけがえの無い夢をこれからもひとつひとつ大切に心を込めて叶えるお手伝いをしていきたいと思っています。

 日本では,まだまだ,インフォームドコンセント,いわゆる病名告知や余命告知は,特に子供の場合には,進んでいません。しかし子供たちは,それを肌で知っているようです。
 
 しかし,親や兄弟たちに迷惑をかけまいと,必死になって,周りに気を遣いながら,一生懸命病気と闘っています。その姿は私達に強烈なメッセージを発信しています。「僕たち・私たちは,体は病気だけれど,心は健康だよ。いくら体が健康でも,心が病気よりはずっといいよ。みんなもっと一生懸命全力で,前向きに生きないとダメだよ!」と。

 健康は当たり前じゃあないんだよ!もっと大切にして健康や家族に感謝しないとダメだよ。と教えてくれているように感じます。
                    

通訳をして学んだ事

フレンズ・ライフケアアットホームジャパン
代表取締役社長 上岡 榮信君

 通訳の仕事をしておりますと,来日する外国人,海外の訪問先で接した人達から聞いた事,学んだ事が多々ありました。その中から記憶に強く残っているものをお話しします。

 大阪万博の年,アメリカ人団体の老夫婦が香港に立つ前日の深夜に,京都のホテルにてパスポートが紛失したと大騒ぎになりました。支配人,警察官も立ち会うが見つからず,老夫婦は深夜0時を過ぎて神戸の領事館に電話し,領事の自宅の電話番号を教えろと宿直に要求,よほどの緊急事態でない限り教えないとの返答に『私たちのパスポートがなくなったのだからこれは緊急事態であり,そのために我々は普段税金を払ってるのだ』と老夫婦は主張しました。

 その剣幕におされて,宿直は総領事に電話。予想に反して,総領事の親切,丁寧な応対に納税の意味と主権在民を思い知らされた出来事でした。問題のパスポートは翌日,箱根のホテルの枕の下で発見されたとのことです。

 生まれて初めて見る雪と氷に大騒ぎのグアムの中学生,高校生のスキー体験で目撃した,国民を守る軍隊の話です。

 初めてのスキーにもかかわらず無鉄砲にもスピードを出して転倒,骨折する生徒が10名程出てしまいましたが,横須賀海兵隊のヘリ3機で吊り上げて,病院へ急送,一件落着をみました。こまっていれば,修学旅行の子供達も気軽に助ける軍隊に驚き,わが国との違いを見せられた次第です。

 貿易摩擦是正の買い付けミッションで自動車メーカー7社と通産省係官とデトロイトに8泊しました。フォード本社の招待ディナーお迎えのリンカーンコンチネンタルの新車8台が買い付け部隊の為に用意されましたが先頭車がエンストし,仰々しいパレードが気まずい雰囲気となりました。今思えば現在の日米の自動車業界の状況を先取りしていたのかと・・・。今のトヨタの渡辺社長が当事の購買の担当課長で,見事な仕事ぶりが印象に残っています。

 郵便局の機械化調査団で,海外の最新機械化局であったミラノ中央郵便局を視察しました。先方の高官の自慢の選別・仕分け機械が設置された床に数百通の手紙,葉書が散乱して居り,我々は仰天しました。 

 おそるおそるどうするのかと聞いた所,後で掃き集めて捨てるとの事。イタリアで出す絵はがきは届かない事があるとの説明に全員納得。大切なものはファーストクラスメールでというアドバイスが生きるのでしょうか。

 大阪にリッツカールトンホテルを誘致するお手伝いをした時のエピソードで印象深いのは,ロビーや宴会場のあるパブリックスペースに飾るオリジナルの美術品のことです。

 世界中に6人の隠密買い付け部隊がスタンバイしていて,富豪の悲劇3つのD,Death,Divorce,Default(死亡,離婚,破産)を察知して,悲劇が起きると素早く出向き,まとめ買いするとの話を耳にしました。

 因みにこのホテルのオーナーには,必ず150万ドル相当の美術品を買い取り,飾る事が義務付けられているそうです。

 木造建築のある町並み保存というテーマでフランスの文化庁を訪問した際に,テレビ事業はものを表現するメディアであるから,文化庁の管轄である事を聞き妙に納得しました。その訳は,日本では電波管理行政は,正に利権と聞いていたからです。
同じくフランスでは,物事をはじめる時は常に言葉の定義から始めて,誤解,曖昧を避けるとの事(フランス語は語彙が少ないのが理由),文化国家を自認するのもむべなるかなと思います。

 老人福祉の視察に,豪州へ行く人も多いようです。豪州は,北欧とアメリカの中間で中負担,中福祉が参考になると言われています。

 我が国の老人福祉政策に新ゴールデンプランがあり,特別養護老人ホームのベッド数を全国で29万床云々の目標数値があります。唯この数字が充分か,否かは専門家でも議論が分かれるし,まして一般国民には途方に呉れる数字です。

 一方豪州では,年齢70歳以上の高齢者千人に対して40床を用意しますと政府が発表しました。これなら誰でもわかり,自分達の町や村に何床できるか納得できます。日本の場合は,あえて政治家の口利きの余地を残してあるのかな,と勘繰りたくなります。

 北欧の老人福祉はつとに有名ですが,高負担,高福祉といわれ,日本には真似できない制度に思えます。単なる高負担では国民は納得しない筈ですが,負担率70%前後という数字は決して弱者救済などというものではなく,国民全員が将来の生活費の積み立をやっていることになり,その積み立てたお金が消えたり,目減りしない所に,日本との違いがあります。

 スエーデンでは二日酔いは居ない,給料日近くなるとガソリン代が払えず,自転車通勤が増えるなどという笑えない事態が良くあるようです。他の国の福祉と異なり,困っている人を助けるというより,国民全員の生活レベルを中程度に保つという考えです。常に政治の透明度が世界のトップ3に納まるというお国柄でもあります。