沿革


東京ロータリークラブの誕生

1920年10月

 東京ロータリークラブ(RC)は、米山梅吉と福島喜三次の出会いに始まる。

 1918年1月、米山は、目賀田種太郎男爵を団長とする財政調査団に加わって渡米。テキサス州ダラスでダラスロータリークラブ会員の福島喜三次に会い、初めてロータリー運動に接し、大いに心を動かされる。帰国後、米山は2年余、ロータリー精神と組織の研究に努めた。

 当時の日本は、第一次大戦に連合国側として参戦。一時的な景気に沸いたものの、戦後は恐慌に襲われ、不景気のなかで農民運動や初のメーデーが行われるなど揺れ動いていた。ロータリー精神が容易に受け入れられるような状況ではなかったが、米山の熱意は少しも衰えなかった。1920年1月には福島も帰国。在日米国人実業家ウオルター=ジョンストン(W.L.Johnstone)の応援を得て、具体的な準備作業が進められた。設立準備会を開いたのは9月1日である。

 設立総会は10月20日、銀行クラブにジョンストンと賛同の有志14名(チャーターメンバー24名中)を集めて開かれた。総会では初代会長に米山を、幹事に福島、理事に伊東米次郎、樺山愛輔、小野英次郎を選出。国際ロータリー(当時はロータリー国際連合会と称していた)のシカゴ本部に加盟申込書を送り、翌年4月承認された。

 はじめは会員の選考も厳格で、クラブの記録や通信にも英文が使われた。しかし例会への出席状況は、あまりはかばかしくなかったようである。

東京RCは国際ロータリーにより特別代表に任命された福島喜三次とWalter Johnstone並びに米山梅吉の尽力により、日本で最初に創立された、国際ロータリー直轄のクラブである。
創立時の記録にスポンサークラブの存在は記されていないことを申し添える。