米山奨学会財団奨学生

中央分区インターシティミーティング 事例発表
米山奨学生 李 鎬成さん

 11月13日(木)にホテルメトロポリタンで中央分区インターシティミーティングが開催され、東京RCが世話クラブを務める米山奨学生、イ・ホソンさんが米山奨学生代表としてスピーチを行いました。


 皆様、こんにちは。ただいま、ご紹介いただきました、イホソンと申します。今年3月から東京クラブにて、お世話になっております。2006年に来日し、今年で8年目になりました。現在は、日本医科大学の博士課程に在学しております。

 今回のお話を頂いて、かなりのプレッシャーと緊張で、何についてお話をすれば良いのか、迷いました。考えた末、留学生活を通して経験したことや思ったこと、そして、米山ロータリー奨学生として感じたことについて、お話することに致しました。

 今回、お陰様で、来日してから現在までの私自身のことについて、改めて考えてみることができました。まず、もう八年という、あっという間の時間の速さに驚きました。今までを振り返ってみて、いろんなことがあったなあと思いました。言葉の壁や生活面での苦しさ、大学院の受験など、苦労したことばかりが浮かびます。しかし、来日して良かったといつも思っております。本当にたくさんのことを学ばせていただきました。その中で、これは韓国も学ぶべきだと思ったことがあります。それは、日本の学校の部活動です。私は、体育大学出身で柔道をやっており、それで日本に来ることができたのですが、種目を問わず、日本の体育に興味を持っていたので、自分なりに調べたり、知り合いに聞いたりしました。韓国と似ている点もありますし、全く違う点もあります。今日は、その中で部活動について、お話したいと思います。

 今でもはっきり覚えていますが、来日したばかりのころは日本語があまり話せず、できるバイトもあまりありませんでした。それで、先輩の紹介で、工事現場のバイトを4年くらいやりました。学校中心の生活でアルバイトは週一回か二回しか出来なかったのですが、工事現場を探すのにはかなり苦労しました。ちなみに、一番遠い所では、温泉で有名な熱海まで行ったことがあります。その時、駅前に足湯がありましたが、私にとってはそれが人生初の温泉でした。現場は都内ももちろんありましたが、横浜や埼玉、千葉など地方の方が多かったです。仕事が朝8時半からなので、家を出るのが早ければ朝5時ごろ、遅ければ7時ごろでした。その時間、電車に乗ると、小学生から高校生まで制服姿の学生をよく目にしました。週末の、朝早い時間にも関わらず、みんなどうしたのかと私は思いました。後で友人に聞いてみたら、試合に参加するためだということ、また、大学でも部活動があるということでした。練習は授業が終わってからやるんだとも聞いて、私は驚きました。

 韓国では、小学校から大学まで、部活動というものはほぼないのではないかと思います。小学生の場合、学校が終わると当たり前のように塾に行っています。おそらく平均して3か所か4か所に通っているのではないかと思います。つまり、友達と遊ぶためにも塾に行かないと一緒に遊ぶ友達はいないということになります。中学生、高校生ともなると、さらに、受験のための日々になります。

 韓国の体育は、「エリート体育」と言って、勉強より自分がやっている種目のみに力を入れています。私も経験者で、言い過ぎかもしれませんが、朝から晩まで、柔道だけの生活を送りました。それくらい激しい練習をやっています。だから、アジアの中でも結構メダルを取っているのではないかと思います。しかし、メダルを取るのは良いことだとは思いますが、このままの環境でよいのだろうかとずっと思っていました。

 もちろん日本の方もメダルを目指している訳ですが、韓国との違いは、好きだからメダルを取りたいという気持ちで目指す点ではないかと思います。あくまで個人的な感想ですが、韓国の場合は、本当に好きだからやっているのか、それとも、やらなければならないからやっているのか、正直分かりません。ここが重要な点で、日本の方は運動をやるだけではなく上手くできるため、自分自身で考えるし、同僚と話し合うし、そういう環境が素晴らしということです。それが小学生から始まっている訳です。運動を利用して、運動能力はもちろん、大人になる課程の中で最も大事な要素である社会性まで、身につけることができるだろうと思います。例えば社会人になって、学生時代に部活は何だったか、という話を耳にしたこともあります。つまり、部活のことでコミュニケーションが成り立つのではないでしょうか。非常に大事な点で、体育を用いて、育っていると思うのです。 したがって、私は、韓国も部活動と言う素晴らしい制度を、早く持つべきだと思います。そのため、私が日本との架け橋になって、今後、何かしらできればと思っております。 来日して色々あったのですが、ここまで、最も印象的だった部活動のことを、お話しさせていただきました。

 続きまして、米山ロータリー奨学生として感じたことについてお話ししたいと思います。まず、皆様にご報告があります。今年から米山ロータリーでお世話になっておりますが、お陰様で、今年3月に結婚致しました。そして、子供を授かり、来年3月には父親になります。人生で一番の課題とも言われている結婚や、さらに子供まで・・・良いことばかり起きて、よいのだろうかと心配もありますが、これは私の運命だと受け入れ前向きな気持ちでやるしかないと思っています。そんな中、本当に奨学金のお蔭で、研究や勉強に集中できているのではないかと思います。すべて皆様のお蔭だと改めて感じ、感謝の気持ちでいっぱいです。

 なぜか分からないのですが、今年に入って環境が変わったせいか、「縁」と「感謝」という言葉につて、考えるようになりました。私が来日したことや、今までお世話になった方々、この場で、皆様の前でお話していることなど、全て縁があって、今の私がいるのではないかと思います。そして、ここまで来られたのは、周りの方々の支えがあったからこそだと思います。特に私は、韓国からの留学生なので、皆様ともっと強い縁で結ばれているのではないでしょうか。日本語の中で、皆さんもご存じだと思いますが、「一期一会」という言葉があります。「出会いを大事にしましょう」という意味ですが、その出会いは縁があるからこその、出会いではないでしょうか。だから、縁を大事にしなければならないと思いますし、ただ、縁で終わるのではなく、その出会いを大事にするためには、感謝と言う気持ちがなければ本当の縁にまでは至らないのではないでしょうか。

 私がお世話になっているクラブは東京です。初めて参加させていただいた時は、参加する方々の人数も多いし、奨学生は私一人しかいなので、戸惑ってしまい、どうすればよいのか分かりませんでした。また、米山ロータリー奨学生として、守らなければならないルールがいくつかありまして、当初は正直ちょっと面倒だなと思いました。例えば、月一回の例会への参加や、それ以外にも参加すべき行事があります。毎回、私が座る席は変わらないのですが、そのテーブルには毎回いろんな方々がお座りになります。結局、私の隣の席には毎回違う方が座っていらっしゃいました。私の方から自己紹介をしなくても、テーブルに座っていらっしゃる方々はある程度の私の事を知っていました。それで今までいろいろな方々とお話をさせていただきました。本来でしたら私の方が年下ですので、私の方から皆様にお話しさせていただくべきですが、正直、私は何を話せば良いのか分かりませんでした。それにもかかわらず、皆様はやさしく私に声をかけ、お話をして下さいました。ときには父親のように、あるいは先生のように、お話をしてくださいました。皆様のお話の内容は、教科書に書いてある情報より、今まで経験されたことをもとにした情報、知識でした。こんなに素晴らしい話は、なかなか聞けないと思いました。それでいつの間にか、毎回の例会が楽しくなり、米山ロータリーの印象が大分変りました。

 最後になりますが、今後も米山ロータリー奨学生として、感謝の気持ちを忘れず、私の夢に向かって一生懸命、一歩一歩進んで参りたいと思います。夢を叶えるために、皆様からお聞きしたお話を、ぜひ参考にさせてください。そして、いつか必ず、皆様に恩返しできるよう、これからも日々頑張って行きます。

ロータリー財団・米山記念奨学会 確定申告用領収証について

2012年度下半期会費(2013年1月請求)および2013年度上半期会費(2013年7月請求)とともに納めていただいた「ロータリー財団普通寄付」と「米山奨学会普通寄付」に対して、2月初旬に確定申告用の領収証が発行されます。申告用領収証をご希望の方は、東京RC事務局までご連絡をお願い致します。
※申告用領収証のお名前は、会員個人名での発行のみとなります。



ロータリー米山記念奨学会への特別寄付のお願い

ロータリー米山記念奨学会は、ロータリーの理想とする国際理解と相互理解に務め、国際親善と交流を深めるために優秀な留学生を支援し、国際平和の創造と維持に貢献することを目的としています。
 日本全国のロータリアンからの寄付金を財源とし、日本で学ぶ外国人留学生に対して奨学金を支給しています。年間奨学生数800名、奨学金支給額は約12億5千万円(2011年度)と、国内では最大規模の奨学事業団体です。これまでに支援してきた奨学生数は、累計で約1万7千人です。
 既に会員の皆さまには、年額16,000円を普通寄付金として頂いておりますが、米山月間に因んでこの機会に、個人または法人としての特別寄付金へご協力下さい。
 東京RCとしての寄付額は、ここ数年1千万円に達しております。本年度も1千万円を目標といたしますので,是非とも皆様のご協力を頂きたくお願い申し上げます。
 【表彰について】
・個人
表彰名    累計額    表彰品
準功労者   3〜10万円   なし
米山功労者  10〜20万円  感謝状
米山功労者
マルチプル  20万円以上  感謝状
米山功労者
メジャードナー100万円以上  感謝状,ピン
・法人
凖功労法人  5〜50万円   なし
米山功労法人 50〜100万円  感謝状
特別功労法人 100万円以上  感謝状,又は盾
※米山奨学会に対する特別寄付金は,税制上の優遇措置が受けられます。
・個人寄付
2012年1月以降の寄付金から,従来の「所得控除」に加えて「税額控除」のどちらか有利な方式を選択できるようになりました。
・法人寄付
一般の寄付金損金算入限度額とは別枠で損金算入できます。これにより法人税が軽減されます。
※年間2千円以上の特別寄付をされた方には翌年の1月末日までに,申告用の領収証と税額控除に係る証明書写が発行されます。



ロータリー米山記念奨学生募集

http://www.rotary-yoneyama.or.jp/



設立の趣旨と事業概要

 財団法人ロータリー米山記念奨学会は、日本に在留している外国人留学生に対し、日本全国のロータリアンの寄付金を財源として、奨学金を支給し、援助する民間の奨学団体です。当会の奨学事業は、日本最初のロータリー・クラブを創立した米山梅吉氏の功績を記念して発足しました。1953年に東京ロータリー・クラブで始められたこの事業は、やがて日本の全クラブの共同事業に発展し、1967年、文部省の許可を得て財団法人ロータリー米山記念奨学会となりました。

 米山奨学事業の目的は学問、技術的指導者の育成に重点をおき、母国に限らず国際社会で活躍する人物を奨学することにあります。学業はもちろんのことコミュニケーション能力、異文化理解、地域ボランティア活動に意欲のある優秀な留学生を支援します。奨学生はロータリアンとの交流を通じて、ロータリーの理想とする国際理解と親善に寄与しうる人となることが期待されます。

 2000学年度に奨学金を支給している学生の数は、年間1,100名、そして設立以来現在までに、93カ国から9,554名(延べ16,249名)の留学生に奨学金を支給しています。そのうち2,073名がそれぞれの専門分野において博士号を取得したほか、多くの米山奨学生が世界各国、各地域で社会の発展のために活躍しています。



ロータリー財団奨学生の募集について

http://www.rid2580.org/abroad/drfc/ (※募集については国際ロータリー第2580地区へお問い合わせ下さい。)