沿革


東京RC創立50周年記念

1970年8月

 創立50周年を記念して、クラブ史に残る2つの事業が行われた。「東京ロータリークラブ50年のあゆみ」編集刊行と花水木の植樹である。

 この記念事業が契機となり、以後、日本各地に花水木の森が出現することとなる。花の樹を植えるという行為は、時空を超えたロマンをともなう。

 1912年、尾崎行雄東京市長は、桜の苗木3000本をアメリカに贈り、国際親善を試みた。返礼として届いた当時のペンシルベニア州の州花、花水木は、この頃、3か所にほそぼそと生きのびていたが、ポトマック河畔では、立派な桜並木として広く親しまれていた。

 荒垣秀雄は、日本の事態を憂い、1966年5月3日号の週刊朝日に、「ロータリークラブなど一肌脱いでみては」とエッセイを寄せた。これを受けて1970年8月、東京RCは、横河時介会長のもと349名の会員が、創立50周年プロジェクトとして花水木の植樹を決定。たまたまその例会に出席していた第745区のパストガバナー、G.ユーリッグ(George Uhlig)の配慮で、1971年4月、ペンシルベニア州アードモアRCから、花水木の苗木300本が送られてきた。これを新宿御苑に仮植したのち、73年10月と翌年3月北の丸公園に植樹した。

 北の丸公園の花水木の森に建つ碑に刻まれている「花の心が世界を結ぶ」(長瀬富郎作)のエピソードは、これからも語りつがれるだろう。

 また、「東京ロータリークラブ50年のあゆみ」は、1971年9月に刊行された。