沿革


「いのちの電話」を訪問

2009−2010

東京ロータリークラブ社会奉仕委員会のメンバーら10人が2月10日午後、靖国神社の近くにある社会福祉法人「いのちの電話」を訪問し、高橋委員長が椅子7脚とテレビドアホン一式の寄贈目録を佐合事務局長に手渡しました。その後出席者一同が見守る中で、椅子の背にロータリークラブのシールが張られました。



高橋委員長が「皆さまの貴重な活動を微力ながらご援助出来て幸いです」と挨拶、これを受けて佐合事務局長は「いのちの電話は多くの方々の寄付や援助で成り立っており、今後ともよろしくお願いします」と謝辞を述べました。相談員用の新しい車付き椅子は動きが静かで座り心地も上々、ドアホンは24時間体制で深夜も人の出入りがある事務局の保安上大変助かる―といった言葉が聞かれました。

いのちの電話は、深刻な悩みを抱えながら相談相手もない人々の隣人となって聞き役を務め励まそうというもので、イギリスで1953年にスタート。日本でも40年近い歴史を持ち、今では全国51か所に拠点があります。私たちが訪れた「いのちの電話−東京」は、約330人の相談員が24時間年中無休の体制で相談に応じており、受信は年間約3万件。1971年の開局以来の累計では100万件を突破しています。

相談の内容としては人生や健康・医療に関しての悩みが多く、年齢層では30〜50代がほぼ6割。ここ10数年来、日本では年間3万人台の自殺が続いていますが、電話相談でも「自殺志向」が全体の1割に達するといいます。「これから自殺します」という若い女性の電話を受け直ちに警察に連絡したが、警官が現場に駆けつけた時は手遅れだったという、息詰まるような痛ましい事例もあったそうです。

贈呈式の後、電話相談室を窓越しに見学しましたが、4人の女性相談員が着席して受信中の室内に重い空気が流れている様子がうかがえました。無給で交通費も自弁のボランティアとして、電話の向こうの孤独な人々に懸命の命綱を発信している相談員の方々に頭の下がる思いがし、同時にその活動を支える継続的な援助の必要性を痛感しました。

「いのちの電話」へのドアホンと椅子の寄贈にあたっては、第2580地区のロータリー財団地区補助金を活用しました。ドアホンについてはクラブよりの寄贈でしたが、相談員の椅子7脚は補助金で購入することができ、クラブの予算を超えた社会奉仕活動を行うことが可能となりました。