住宅業界におけるCO2削減について
2025年11月19日(水)
(株)小泉 代表取締役社長 長坂 剛君
弊社は、昭和22年に設立し、住宅設備の総合商社として、水道設備店、リフォーム店、工務店の皆様を通じて、お客様の住まいに様々な設備機器をお届けしております。
最近では、カーボンニュートラルの実現を目指す取り組みの一環として、省エネ支援や補助金の活用サポートにも力を入れています。
本日は、弊社の主要取引先が属する住宅業界におけるエネルギー分野の最近の動向について、ご紹介させていただきます。
日常生活において、「省エネ」という言葉を目にしない日はないと言っても過言ではありません。現在、住宅設備や家電製品の多くは省エネ性能の高いものが一般化しており、省エネ性能の高い住宅を購入することで、住宅ローン減税や補助金の適用を受けられるなど、国の政策が私たちの生活に直接的な影響を与えています。
「省エネ」という概念は、オイルショックによるエネルギー危機を契機として、1979年に制定された、 「省エネ法」 により広く普及しました。当初の規制対象は主に工場や事業所であり、エネルギーの効率的な利用を目的としたものでした。その後、1997年の京都議定書採択により、地球温暖化対策として温室効果ガス排出削減が先進国に義務付けられ、国内でも二酸化炭素削減に向けた取り組みが本格化しました。さらに、2011年の東日本大震災を契機にエネルギー需給問題が顕在化し、2013年には省エネ法が大幅に改正。2015年には住宅・建築分野が切り離され、「建築物省エネ法」が制定されました。
以降、新築建築物に省エネ基準への適合が義務付けられ、建築物のエネルギー性能向上に向けた取り組みが一層進展しました。加えて、今年4月の改正により、住宅を含むすべての建築物に省エネ基準への適合義務が課され、建築主、元請事業者、指定確認検査機関などに大きな影響を及ぼしています。着工前に必要な「建築確認済証」の取得に際し、省エネ基準への適合を証明する「省エネ適合性判定通知書」の提出が義務化されたことから、建築現場では手続きの複雑化や審査遅延が発生しています。この混乱は施行から半年以上経過した現在も続いています。
今後、省エネに関する規制は一層強化される見通しです。2030年には新築住宅の省エネ基準がZEH水準へと義務化されます。さらに、今年9月末には経産省よりZEHの上位基準である「GX ZEH」が発表されました。GX ZEHは2027年4月から適用予定であり、従来のZEHよりも高い断熱性能および設備の省エネ性能が求められます。加えて、太陽光発電に加え、蓄電池およびHEMSの導入が必須要件となり、エネルギー自給自足型住宅の普及が促進される見込みです。このように、政府は新築住宅に対して高い水準の断熱性と設備機器の省エネ性を求めていますが、これは建築費用の増加につながります。
一方、既存住宅に対するリフォーム分野では、国交省・経産省・環境省が連携し、「住宅省エネキャンペーン」として補助事業を実施しています。補助対象は主に断熱性能や設備の省エネ性能向上です。
住宅設備の省エネ化については、経産省が「トップランナー制度」に基づき、省エネ性能の向上を推進しています。対象機器や建材の製造・輸入事業者に対してエネルギー消費効率の目標を設定し、その達成を促すとともに、省エネ性能の表示を義務付けています。2027年度にはルームエアコンの基準が大幅に見直され、現行基準を満たさない機器は製造・販売ができなくなります。
私たちの生活は常に「省エネ」と密接に関わっています。国の方針に沿って省エネ社会の実現を目指すことは重要ですが、高性能な省エネ設備や住宅の購入には高額な初期投資を要することから、今後の家計負担および住宅市場への影響への観点からも国の進める補助金事業は今後も注視が必要です。
近年、気象災害が激甚化しています。温暖化が影響していると考えられます。
省エネ推進に向けた補助金制度の導入をサポートすることで省エネ機器の導入を促し、流通の立場で微力ながらカーボンニュートラル達成に向けて貢献、奉仕を続けてまいります。