卓話


ガバナー公式訪問

2026年7月22日(水)

国際ロータリー第2580地区
ガバナー 谷一文子氏(東京小石川RC)


 2026-27年度のガバナーメッセージは「Happy Rotaryみんなのために」です。ご自身のロータリー人生の幸せと楽しさをぜひ、家族、友人、あるいは地域の方、さらには世界の方に伝えて、周りの方々にも幸せになっていただきたいという願いを込めました。

 私は、子どもの頃からロータリーとの関わりはほとんどなく過ごしました。大学心理学科の同級生に、松葉杖をついていた女の子がいました。実は彼女がポリオの罹患者だとはロータリーに入るまで知らず、大変恥ずかしい思いをしました。大学卒業後、地元の病院の精神科に勤めた後に岡山市職員となり図書館司書をしていましたが、夫の転勤で東京に転居し、32歳で図書館流通センターに入りました。全国の公共図書館や学校図書館のデータベース、物流運営を担う会社です。

 2013年に同社の会長になり、創業者が東京小石川RCに入っていたことやチャーターメンバーに出版界、印刷系の方が多かったことから、私も入れていただきました。しかし、仕事が忙しく出席が難しかったことや女性会員が一人だけだったこともあり、孤立した状況が続きました。それを破ったのは、大阪のユニバーサルスタジオジャパンへの親睦家族旅行でした。私は一人で参加していたのですが、会員の奥様が「ジェットコースター乗らない?」と声をかけてくれたのです。クラブに打ち解けるきっかけとなり、ようやく明るい光が見えた瞬間でした。

 2020年に地区幹事を拝命した時は、コロナ禍が始まり何もかもが大変で、慌てふためきました。その時、いろいろな方が助けてくださったお陰でロータリーに詳しくなり、皆様とご縁もできました。仕事の出張や会食がなくなり大学院で図書館について勉強すると同時に大学講師も始めたところで、東京小石川RCの会長を務めることになりました。嶋村パストガバナーの年度でとても忙しかったのですが、ロータリーの大きな楽しさを得ることができました。2024年にガバナー候補に選ばれました。私はサラリーマン社長で、ロータリーの経験も浅く、当地区では初の女性ガバナーと大変な重圧になっていますが、ロータリーの良さをもっと皆さんに伝えたいという思いで、今年度を進めていきます。

 今年度の RI 会長、オラインカ・ハキーム・ババロラさんはナイジェリア出身です。彼の話を国際協議会で聞いて、私は驚きました。彼はローターアクトだったのですがローターアクトとしてホームのクラブに行くと、会長から「インカ、お前を僕は呼んでないぞ。何してるんだ」と言われました。彼は「子供が実家に戻ってきて何が悪いんだい?」と言ったそうです。それを聞いたある会員が、「インカ、僕が君を招待するよ」と言ってくれたそうです。それがなければ、彼はRIの会長どころかロータリアンでもなかったのです。誰でもロータリー人生の中で節目のようなチェンジする機会があるんだなと思いました。 彼は「持続可能なインパクトを生み出そう」というメッセージを出しています。一番インパクトのあることは、ポリオ根絶です。「あとちょっと」と私がロータリーに入ってからずっと言われていますが、あの尾身茂先生も「今ポリオを根絶しなければ、もし仮にロータリーの皆さんが寄付をやめてしまったとしたら、何十万人もの苦しい思いをする子供たちがまた出てきますよ」とおっしゃっています。

 そして、平和の推進です。ロータリーの目的は国際平和、親善です。世の中のあちこちで紛争が起きている今、私たちはもっとこれを推進していかなければいけません。

 そしてもちろん、会員増強です。2030年までに 125万人までロータリアンを増やす目標を掲げています。特に若い方々にもっと活躍していただきたい、そしてインパクトをもたらす奉仕をしようと言われました。

 RIは今4つの行動目標を掲げています。
 1つ目、「インパクトをもたらす」。成果ではなく、未来に残る変化です。先ほど報告のあったミャンマーの井戸掘削・水インフラプロジェクトのように、井戸を掘り、きれいな水が出ただけではなく、少女が水を汲みに行く時間を減らし学校に行くことができるようになれば、その先に、仕事に就くこと、社会人となってやがて国を動かすような人に成長する可能性も秘めています。

 2つ目、「基盤を広げる」。ロータリアンが地域に対して何かしたいと思った時に地域から協力が得られるのは、皆さんの普段からの高潔な職業人としての信頼があるからです。

 3つ目、「積極的な関わりを促す」。ロータリーは居場所です。自分の居場所に変わった時、積極的にロータリーの活動に参加できるようになります。

 4つ目、「適応力を高める」。社会情勢の変化に対応し、活動システムの改善や社会奉仕の活動内容の見直しをすることが必要です。

 しかし、皆さん一人ひとりが変わらなければクラブは変わりません。もう少し積極的に例会に出よう、もう少し奉仕活動に参加しよう、もっと友達を呼んでこよう。小さい変化が最後に世界を動かします。持続可能なインパクトをぜひ生み出していきましょう。

 第2580地区は 4つの目標を掲げています。
 会員増強はずっと言われ続けています。当地区の会員数は日本全国で8番目です。私の同期のガバナーたちは「みんな東京に行くから自分たちの地区はどんどん人が減っている」と言います。1番目と言いたいところですが、早く2番目にはなりたいと思います。 今年度までの退会数と入会数を見ると、実はあまり数が変わりません。今年も300人以上入り約280人が辞め、純増34人でした。地区の女性比率は12%まで上がっています。東京RCは女性が大変活躍していて嬉しいです。でも女性比率は6%です。地区として、もう少し女性比率を高めたいですし、多様性の面からはインターナショナルな方にもぜひ入っていただきたいです。

 そして、70歳以上の方が879人です。30年後までにもう少し会員を入れないといけません。当地区では25年前から30人以上激減したクラブが15、50人以上激減したのは2クラブあります。2つとも100人超のクラブです。100人超いると1年に2人ずつ抜けても、あまり気づきません。でも25年経つとガバッと抜けた感じになります。

 一方で増えたクラブもあります。紀尾井町RC、臨海RC、石垣RC、福生RCです。理由を聞いて皆さんにお伝えします。

 今までで一番増えたのが栃木ガバナー年度の124人でした。私は純増125人を目標にします。そのためには、温かいクラブ体験が必要です。顔は見たことがあるけれども話したことがないという方と同じテーブルになったら積極的に話をしてください。

 そして、多様な種別のクラブを作ろうと、RIは言っています。2013年から衛星クラブができるようになり、2016年からは例会の数や会員身分、出席率が柔軟になりました。会員の地域要件が廃止され、世界中どこからでも参加できます。新クラブの設立は15名から可能になりました。

 当地区は3300人の会員を目指します。女性比率も各クラブ平均して10%以上にすることが目標です。

 そして、インパクトのある奉仕をしましょう。京都西RCにならい、ジョギングしながらゴミ拾いをするプロギング活動を考えています。グループごとにポリオ撲滅の Tシャツを着て、お子さんたちにも参加してもらいます。ロータリーの公共イメージを向上し、ポリオについて広く知ってもらい、環境にも優しく、親睦も深まります。

 グローバル奉仕も行います。5月に、モンゴル米山学友との連携で行っている学校図書館のプロジェクトを見せてもらいました。きれいになった図書室で子ども達の笑顔を見た時に、この事業はやはりやるべきことだと感じました。

 モンゴルでは荒川RCがドローンによる血液輸送プロジェクトをグローバル補助金で行っています。モンゴルの首都ウランバートルは人口60万人を想定して作られたのに対して170万人が住み、交通渋滞で救急車が動けなくなり、救える命が助からなくなることがあります。荒川RCの30万円の寄付に加え、財団から1000万円の補助が出ており、素晴らしいことだと思っています。地区やRIにある制度を活用しましょう。

 そして、皆さん、「My ROTARY」を見てください。世界中の情報を見ることができます。そして『ロータリーの友』にはたくさんのヒントがあります。「ロータリー文庫」は、米山梅吉の書物が読みたいと思ったら電子で読めるアーカイブです。

 ロータリーファミリーを大切にしましょう。インターアクト、ローターアクトの活動を応援してください。米山奨学生はロータリーを体験した良き理解者です。ロータリー青少年指導者養成プログラム(RYLA)に、ご子息、お嬢様、お孫さんなど30歳までの若者を参加させてください。また、当地区に3人の奨学生がいますので、青少年交換留学生をクラブに迎えてください。平和フェローは、まだ当地区から一人も出ていませんので、ぜひ輩出しましょう。

 東京北RCで行っている、ポーランドに避難しているウクライナの戦争孤児を支援する「コンテナ食堂」プロジェクトについてお伝えします。ポーランドの青少年交換留学生から大阪のホストファミリーに相談があり、青少年交換事業に長年尽力された近藤さん、東京北RCの浅田さん、浅田さんと一緒に青少年交換でカナダへ留学した金沢RCの北川さんの3人で実施を決定しました。近藤さんは亡くなられましたが多額の寄付を残され、このプロジクトの基盤になる基金ができました。3人ともロータリーに恩返しがしたいとプロジクトを進められました。

 DEIという言葉が、参加促進、帰属意識という言葉に変わりましたが、これも進めていきます。ロータリーに帰属している喜び、あるいは参加による広がりを促進していきます。

 2027年の国際大会はバルセロナで行われます。2027年6月27日の夜、ガバナーナイトを行います。9月から登録になりますので、皆さん登録をお願いします。