卓話


AT OSAKA KANSAI EXPO 2025

2026年3月11日(水)

サンマリノ共和国
特命全権大使 マンリオ・カデロ閣下


 サンマリノ共和国は世界で5番目に小さくイタリアの中にある国で、建国1725年とヨーロッパで一番古く、世界では日本に次いで古い国です。

 2014年6月、サンマリノにヨーロッパで最初の日本の神社を建てました。天照大御神を祀っています。日本の中にはキリスト教と他の国の教会などが1000ぐらいあり、ヨーロッパには日本人が約45万人住んでいますが、神社は一つもなく、もったいないと思ったためです。神社本庁と宮内庁、そして外務省の許可を得てに相談して作りました。今日も皆さんのお陰で謝礼をいただきました。謝礼は神社のメンテナンスに使います。この神社は、伊勢の職人に一度造ってもらったものを分解してサンマリノまで送り、建て直しました。今年12年目になります。来年、伊勢神宮の分社になるかもしれません。

 今日のテーマは大阪関西万博です。大変でしたが、素晴らしいものでした。日本人と外国の方を含め約3000万人が来場しました。日本に大使館・領事館を持っていない十数カ国も参加し、とても国際的な万博になり、感動しました。私は他の国の万博にも行きましたが、日本の万博が一番素晴らしい。オープニングセレモニーが全て日本の伝統文化で、人間によるひな祭りまでありました。日本の伝統文化は日本の宝物だと思います。これほど古く繊細な文化は世界で日本にしかありません。

 縄文時代をいれれば、日本の歴史は世界一であることに間違いありません。あれほど長い間、戦争をしたことのない平和な縄文時代に私はとても感動し夢中になっています。

 サンマリノも戦争をしたことがありません。軍隊のない平和な国です。どうしてこんなに小さな国が長い間独立してこられたのか。まず、攻めにくく、そして、油やウラン、金など宝物がありません。あるものはオリーブオイルやワイン、チーズで、それはイタリアのどこにでもあるため、戦争する必要がありません。そして、サンマリノ人はみんなおもてなしが好きで、必ずワイン、チーズ、パンなどを喜んでごちそうしますから外国の人がとても喜ぶのです。

 サンマリノへの観光客は年間300万人です。免税国で消費税がありません。そのため、メイド・イン・ジャパンのものはサンマリノの方が安く、日本人もサンマリノで買う方が日本より安いと驚いています。そして、とても治安がいい国です。犯罪がほとんどないため、刑務所は7部屋しかありません。

 万博の話に戻ります。私は期間中、5回行きました。いろいろな国の人と直接話し、とても勉強になりました。例えば、日本の食べ物、人間、文化などで何が一番気に入っているのか質問すると、いろいろな意見がありましたが、一番多い答でびっくりしたのは、「日本人」でした。日本人はお互いマナーを尊重し、外国人にも親切でおもてなししてくれる。日本の組織と街がとても綺麗で、新幹線をはじめ電車はきちんと時間通りに来ます。

 そして、もう一つ。たくさんコンビニがあることでした。ヨーロッパにはあまりコンビニがないんです。そして、コンビニのトイレにウォシュレットがある。みんなウォシュレットは贅沢なものだと思っていたため、日本はとても綺麗好きでいいと感じたのです。他にも、おしぼり、お辞儀です。お辞儀は一番古い挨拶で、清潔です。お辞儀は風邪を移さない。とにかく、日本のことを褒めてばかりでした。

 ただ一つ、誤解がありました。神社とお寺の区別ができないのです。ですから、神社やお寺についての案内をきちんとしたほうがいいですし、英語の表示を付ければ、売り上げが増える商品がたくさんあると思います。

 例えば漢方薬にみんな興味がありますが、パッケージに書いてることがわかりません。化粧品、お土産、世界一種類の多いお茶の説明、二日酔いの薬や消化剤の効能、コンビニの商品表示などどんなものでも英語表記をつければ、とても親切です。

 水だと思って買った高級なガラス瓶が日本酒だったり、魚の絵を見て食品だと思った缶詰がペットフードだったり、ボディソープだと思ったものが食器用洗剤だったことなどが起きています。少し英語で書けば、売り上げも増え、そして日本のいいものの輸出にもつながります。また、JRの切符も英語併記や多言語対応をもっと進めてほしいと思います。 とにかく日本にはいいものが山ほどあり、とても便利ですから、外国に住むと不便に感じることが多いです。日本ほどマメな国はないと思います。私ももう日本が長いため、外国に行くと、早く東京に帰りたいと懐かしくなります。特に年配の方には日本は便利な国です。

 伝統文化だけではなく、ライフスタイル、哲学などを考えれば、日本は本当に世界一だと思います。今回の万博では外国の方がたくさん来て、日本について学び、楽しみ、リピートして来日している方がいます。北から南まで、山があってスキーもできるし、海も美しい。沖縄、九州に綺麗な海があって外国に行くよりも近いです。私は去年、奄美大島に行ってスキューバダイビングをし、紫のサンゴを初めて見て感動しました。

 万博は世界の平和のためにとても役に立ちました。将来的に日本のGNPの一番を占めるのは観光になるでしょう。観光はみんなの仕事になります。ロボットは使いにくく、やはり人間が必要になります。イタリアの人口は約6000万人ですが、観光客は年間8000万人です。昨年は1億人を超えました。人手が足りないため、夏は隣の国から働きに来ます。ですから、観光で生きるのは迷惑ではありません。自分の国の文化とライフスタイルも広がります。

 ですから、もっと外国の人が日本に来たら、この世界は平和になるし、ばかばかしい戦争もやめるでしょう。日本が世界の平和のシンボルになるように望みます。いつか、みんなわかると思います。ですから、日本人の皆さん、頑張りましょう。日本の神道の哲学、日本のライフスタイルが広がれば、本当に素晴らしい世界になると思います。


     ※2026年3月11日(水)の卓話をクラブ会報委員が纏めたものです。