会員管理システムの刷新と出席管理システムの構築
2026年9月9日(水)
東京RCシステム刷新プロジェクト
プロジェクトリーダー 橋本有史君
「システム刷新プロジェクト」は、当クラブの会員管理システムを中心に、クラブ運営を支えるシステムを刷新、あるいは新たに構築していくものです。
私は昨年度、IT・ホームページ委員会の委員長を務めており、正直に言いますと、近年の社会におけるITやウェブの発達に比べ、当クラブのシステムやウェブは少し遅れているのではないかと感じていたところです。そのような中で今年4月、林会長より当クラブの出席の登録やメイクアップの管理について最新のIT技術を使って刷新したいというお話があり、プロジェクト管理を行うことを引き受けました。
調べるうちに、出席管理システムだけでは完結しないことが判明しました。たとえば、皆様が今お座りになっている席は、いつも同じ方と同じ席にならないように配慮し、出席率の高い会員とそうでない会員とを同じテーブルに配置することによって、どのテーブルも均等に埋まるような席割りをしています。この操作はクラブの基幹システムである会員管理システムで行っており、出席管理システムから出てくるデータは、この会員管理システムで使われます。
一方で、会員の皆様は、自分の出席やメイクアップの状況を知る必要があります。これまでは、出席封筒に事務局がメイクアップの状況を記入することで確認してもらっていました。今後は、これに代わる体制を作り、当クラブの会員個人ページのあるウェブシステムとも連動しなければなりません。
第1部 会員管理・出席管理の仕組みづくり
�ヾ雋乾轡好謄爐任△覯餔�管理システム、�⊃靴燭乏�発する出席管理システム、��出席に関わる情報を会員の皆様にお知らせするウェブシステム、この3つを連携させて一連のシステムとして構築します。
システム間のデータのやり取りについては、会員管理システムを基幹システムと位置づけ、すべてのデータはこの基幹システムを経由してやり取りするという考え方です。
1.会員管理システムの刷新
・現行システムの概要と課題
会員管理システムは、28年前に富士通株式会社が当クラブ専用に開発したMicrosoft Accessをベースとしたシステムで、現在、保守管理はコンピューターエンゼルス社が行っています。クラブ管理、会員管理、会計管理を一元管理しており、会計管理はコンピューターエンゼルス社のパッケージを使っています。同社は、自社でもクラブ管理、会員管理のパッケージを開発、所有しており、ロータリークラブ89クラブに、そのパッケージを納入しています。
この会員管理システムは、非常に優秀なシステムです。ただ、28年前は、会員とのデータのやり取りはすべて文書経由だったため、文書の出力に関わる部分を主たる目的とした設計になっています。
最大の問題は、すべての入力が手作業であることです。例会での出席登録を中心とした出席管理システムを開発したとしても、そこから出るデータを事務局が会員管理システムに入力しなくてはならない、という不都合が生じます。また、ウェブに掲載するにしても、出席管理システムから出力した文書を基にウェブシステムに入力するという不都合が生じ、自動化そのものが無意味になります。
・これらを踏まえた開発手順
システム全体構成の決定を行った上で、まず会員管理システムを刷新します。これを基幹システムとして、ユーザーインターフェース部分である出席管理システム構築とウェブにおける会員個人ページの追加整備を行います。
会員管理システムの開発には、2つの方法があります。1つは、コンピューターエンゼルス社のパッケージを利用し、それに各種のカスタマイズを加えるやり方。もう1つは、ゼロからこのシステムを構築する、いわゆるスクラッチ開発で行う方法ですが、かなりの期間と費用を要しますし、ロータリー業務知識を持たない外部委託者への説明・品質確保が困難という問題があります。開発方法は、現在のパッケージの機能を精査し、当クラブの運営や今後の方向性に合致しているかどうかを確認し、それぞれの方法での費用の見積もりを行った上で、最終的に決める予定です。
開発要件の定義に向けて、まず、現行システムについて解析し、古いシステムで現在は使われていない機能を抽出します。
次に、今回の出席管理システムやウェブなど、ユーザーインターフェース系のシステムと連携するための機能や、データ項目の追加を行い、これらを踏まえ、最終的に開発のための要件定義書を作成します。
・現行システム解析の進捗
現行システムの解析にあたっては、AIエージェントであるClaude CodeのOpus5.0という大規模言語モデル(LLM)を用い、現在の全プログラム、それから開発当時の436ページに及ぶ開発仕様書、そして現在のデータ(ただし個人情報は削除)を入力したところ、5分以内で解析が完了しました。その結果、81のデータテーブル、130の入力・操作画面、198種類の帳票を取り扱っていることが分かりました。
そして、抽出した一覧に対しては、事務局が機能・画面・データ項目を1件ずつ要不要の判定を行います。このチェックは既に終了しています。
2.出席管理システムの構築
詳細な企画は今後の作業であり、あくまでイメージとしてご理解いただきたいと思います。
・例会での出席登録
当初はスマートフォンで専用端末にタッチしていただくことを考えていました。ただ、スマートフォンをお持ちでない、あるいは当日お忘れになった場合の対処が難しくなります。そのため、例会用名札にICタグを貼り、それをICタグの読み取り装置にタッチしていただいてデータを収集する方法にします。ICタグは、いわゆるNFCタグと呼ばれるもので、1枚60円程度です。読み取り装置は1万円程度で、大きな費用負担とはなりません。なお、例会前後に行われる委員会の出席登録については、現在検討中です。
・メイクアップの処理
当面、会員の皆様に行っていただくオペレーションは現状どおりとします。ただし、事務局の作業については、処理を簡略化する画面の開発や、出席管理システムでメイクアップ処理を行い、効率化を図ります。処理後の出席データは会員管理システムに渡されます。将来は、会員がメイクアップ登録画面に、メイクアップカードの画像とともに入力して処理を行うことも考えられます。現在の封筒は週報やレターの配布用として、カレンダー部分が無地のものを引き続き使用する予定です。
・会員個人ページの追加
現在の出席状況をお知らせするホームページの会員個人ページについては、既存ページに、「出席状況の確認」ボタンを設けます。出席状況のページには、現在の出席状況(出席率)や年間の出席カレンダー、メイクアップ期限警告も掲載します。
・ウェブの操作が難しい会員の皆様へ
会員の皆様の中には、ITやウェブ、 スマートデバイスなどに不慣れな方がいらっしゃることも十分に承知しています。システム導入にあたっては、そのような会員の皆様への配慮も十分に行っていきますので、どうぞご安心ください。
例会への出席登録は、会場用の名札を読み取り装置にかざしていただくだけです。メイクアップの登録は、従来どおりメイクアップカードを事務局にご提出ください。事務局にて登録をします。出席状況については、事務局にて印刷し、引き続き使用する封筒に入れてお渡しします。
会員個人ページをお使いになりたい方には、プロジェクト担当者がご説明いたします。
3.今後のスケジュール
来年7月1日からの本番運用を目指しています。会員管理システムについては、それを待たずに本番運用が可能となれば、その方法に改めていきます。ただ、開発上、重大な問題が発生した場合には、来年度にずれ込むこともあるかと思います。その場合は、改めて会員の皆様にご説明したいと思います。
開発も重要ですが、その後の運用保守はさらに重要となります。クラブ運営に支障をきたさないよう、慎重に進めていく予定です。
第2部 例会におけるAI同時通訳システムの導入
昨今のAIの急激な発展により、同時通訳もAIがシステムとして行えるようになりました。さらに、講演の録音から文字起こしを行い、字数を決めて週報用の原稿の作成もできるようになります。
システムの導入はこれからの調査になりますが、講演者のスピーチをAIの同時通訳エンジンを使って同時通訳し、ご出席の皆様にご自分のスマートフォンとイヤホンでお聞きいただく形が原則となります。イヤホンをお持ちでない出席者については、字幕で表示する形となります。
AI同時通訳システムは、多数の会社から提供されています。国内で豊富な実績があり、専用機が不要でPC1台で運用可能であること、そして日本語での手厚いサポート体制も構築されているA社から提案を受けて、候補サービスのデモを依頼し費用も考慮しつつ、導入を検討していきます。
スピーチの録音からの文字起こしについては、汎用AIを用いて運用していく予定です。準備ができ次第、現在の運用と並行して動かしながら品質を見極めていきます。
おしまいに
IT やAI、あるいはウェブの活用は、これにとどまるわけではありません。クラブ運営をより効率化し、会員サービスを充実させるためのIT、ウェブ、AIの活用は思いつくだけでもまだたくさんあります。いずれにしても、これらの開発には費用もかかる上、会員の皆様のご理解も必要ですので、無理のない形で進めていきたいと思います。
そして、当クラブはロータリークラブのリーダーとして、これらの環境やソフトウェアを他のクラブにも提供していくことも重要だと思っています。ご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。
※2026年9月9日(水)の卓話をクラブ会報委員が纏めたものです。