卓話


イニシエイションスピーチ

4月14日の例会卓話です。

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取締役副社長 栗岡 威 君

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代表取締役 社長
竹林 隆光君

ホールインワンを科学する

 ホールインワン(H/O)は、ゴルファーの夢ですが、実態は必ずしも知られていません。当社は、昭和35年4月より「ゴルファー保険」の販売を開始しましたが、昭和50年代に入って「H/O達成時には記念品を配ったり、パーティを催す慣行」が生まれたことに対応すべく、昭和57年にこれらのおめでたい出費に対応する“H/O費用担保特約”の認可を取得し販売を開始しています。

 以来、アルバトロスを対象に加える等、保険カバーの充実を図って今日に至っています。本日は、この保険を取り扱うことで得た情報をもとにH/Oに科学的にアプローチしてみたいと考えます。

 H/Oに関する統計:英国のゴルフ歴史家である、クリス・プラムリッジの統計によれば、一般のゴルファーは約11000ラウンドに一回H/Oを達成します。これは、プロの1/10の確率、年末ジャンボ3等が当たる確率の4.66倍です。

 ギネスブックの記録によれば、H/Oの最長記録は408M、最多記録は47回、最年少H/Oは4歳、最年長は99歳とされています。

 日本のプロゴルファーでは、男子は羽川の7回、女子は高村、今堀、塩谷、金萬壽の6回が最多達成です。

 変わり種のH/Oの話題を一つ。ジョン・マーフィーはノースキャロライナのウィルマーGCの7番ホールで2日連続ホールインワン。しかし、2日目の時は1人でプレーをしていたため承認者がいなかったので、翌日彼はコースの管理主任を無理矢理7番ホールへ連れ出し打ったところみごとに3発目を入れたというとんでもない強運の持ち主。

 ゴルフ人生とH/O:プラムリッジの統計によれば、週1ゴルファーが20年間プレーした場合、11人に1人がH/Oを達成することになります。仮に、週2回プレーした場合ですと、6人に1人が達成することになります。

H/Oへの近道:当社のH/O保険のお支払いデータによれば、130〜150ヤードの距離が最も入っています。ホール数が多いこともありますが、6〜8番という多少転がるクラブで打つこの距離は期待がもてるようです。

 また、お食事後の多少お酒の入った、午後1〜2時が最も入るというデータもあります。午後イチのショートホールは気合いをいれて打ってみるべきでしょうか?

セレモニーの実態:やはり、記念パーティーを開催して(全体の82%が開催)、記念品(プリペイドカードが全体の39%、装飾品が13%)を配るというのがH/O達成後、おきまりのパターンのようです。(但しH/O保険では、商品券、イオカード等のプリペイドカードは「H/O達成を記念して特別に作成したもの」が対象となります)

 一方、ゴルフ場のスペースの問題もあってか、記念植樹をするケースは少ない(全体の4%)ようです。H/O保険金のお支払い額は30万円〜50万円がもっとも多く、この価格帯が平均的なH/Oお祝い費用のようです。

ゴルファー保険では:海外のゴルフコースでのH/O、ご自身が役員を務めるコースでのH/Oは対象となりません。ご留意願います。

 また、ゴルファー保険を複数契約している場合、H/O費用は最も高い保険金額を限度として、各保険契約で按分してお支払いします。高額の補償が必要な場合は契約を一本化してご希望のH/O保険金額(100万円が限度です。)を設定下さい。

 なお、皆さまの会社がプロゴルファーのH/Oに賞金をお出しになる場合、これを保険でお引受けすることもできます。是非ご照会下さい。

 ゴルフには最適な気候となってきました。皆さまが、本日の話をご参考に、H/Oを達成されることを祈念して、私のスピーチを終わります。

ゴルフクラブの進化
 
ゴルフクラブの変化には、<進化>と<流行>があります。一度変化したら元に戻らないものが進化。一方、流行はその時代一番強い選手が使っているクラブと同じ物を使いたいというゴルファーの心理から生まれ、一番強い選手の使用クラブが変れば流行のクラブも変ります。これはプロゴルファーの世界でもアマチュアゴルファーでも同じです。 

 ゴルフクラブの進化には3つの要因があります。
1、 物理学に基く性能アップ
2、 設計技術向上による性能アップ
3、 新素材・および製造技術による性能アップ

1番目は<物理学に基付く進化、力学的な進化>です。

たとえばクラブヘッドの慣性モーメントは大きければ大きいほど機能的に優れているという点です。この20年間世界中のクラブメーカーが進めていたドライバー開発は、この点を最大のテーマにしていました。ヘッド慣性モーメントを小さい順に並べるとパーシモンヘッド−小型ステンレスヘッド−大型カーボンヘッド−大型メタルヘッド−大型チタンヘッドの順になります。

さて、ヘッドの慣性モーメントが大きいとゴルファーにとってどんなメリットがあるのでしょうか。ミスをしてもよく飛んで曲がりにくいクラブになります。

皆様はパーシモンヘッドでゴルフをした経験があると思いますが、パーシモンヘッドで28ヤード曲がってしまうミスショットを大型チタンヘッドでした場合、わずか8ヤードしか曲がりません。フェアウェイのセンターを狙って打ったミスショットが林に入ってしまうのと、フェアウェイにとどまるほどの差があります。

その他、物理学による性能アップには、ヘッド反発係数アップというテーマもありました。ヘッド反発係数の向上で飛距離は最大16ヤード伸びましたが、新たにルールの規制が出来て、高反発クラブの使用許可は、女子プロとアマチュアゴルファーに限定されています。そして2008年からは使用禁止になることが決まっています。

2番目は<設計技術向上による進化>です。

かつてクラブ設計および金型製造は、ベテラン職人の仕事でしたが、現代はコンピューター3DCADによる設計に変りつつあります。設計段階で性能のシュミレーションが出来るようになりました。

ただし問題もあります。コンピューターでクラブ設計を始めた技術者にはゴルファーの望む微妙な曲線を作りにくく、性能を求めただけの機械的なクラブになりがちです。一方ゴルファーの求める微妙な曲線を出せる職人は3DCADの操作が出来ないのです。今、求められるゴルフクラブ設計者は職人肌の技術者ということになります。私どもの会社でもクラブ設計者を養成しておりますが、技術者に手作業による金型製作を体験させてから3DCADによる設計を教えています。

 3番目は<素材の進化・製造技術の向上>です。
 
ドライバーヘッドは先ほども申し上げたように、パーシモン、カーボン、ステンレス、チタンと素材が変化してきました。これによりヘッド慣性モーメントが大きくなり、より性能のいいクラブが出来るようになったのです。

 また製造技術に関しては、チタンヘッドは当初200ccの大きさまでしか出来ませんでした。ところが現在では平均体積は400ccに限りなく近づいています。最大のものは460ccまであります。
6年前に300ccを超えるドライバーを作りたくて日本のすべてのチタン鋳造工場を回りましたがどこも作れませんでした。そして、アメリカ、台湾、中国、ロシアの工場まで行きましたが、どこも作ることが出来ず、なぜ出来ないかのレポートを受け取り、チタンの物性では300ccを超えるゴルフヘッドは不可能と言われました。ところが、わずか5年後にどこの工場でも400ccのチタンヘッドが出来るようになったのです。

大型チタンヘッド製造技術向上はヘッド慣性モーメントの大型化とヘッド反発係数アップに貢献しました。
 
最後になりますが、現在、世界のゴルフクラブ生産量は5000万本、そのうち中国生産が4500万本、全世界の90%のクラブヘッドが中国で生産されています。