卓話


米山月間例会
米山学友としての社会貢献と国造りへのかかわり

2014年10月1日(水)

三井物産戦略研究所 国際情報部 研究院
東京米山友愛RC 会長 ギリ・ラム氏


 本日は、東京ロータリークラブの卓話にお招きいただき、3つの点で光栄に思っています。一つは、日本で初めて創られた名誉ある、世界でも3つに入るロータリークラブで、ネパール出身者として卓話をさせていただくこと。もう一つは、このロータリークラブを、米山梅吉氏と、三井物産に勤め日本で初めてのロータリアンである福島喜三次氏が特別代表として創られたと聞き、三井の一人として光栄に思っています。そして、3つ目は、私が日本でこのように活動出来るよう道筋がつけられたこともロータリークラブの皆様、米山記念奨学会の御陰で、この3つで大変光栄に思っています。

 私は、ネパールのポカラというヒマラヤの麓の出身で、1994年に日本に参りました。ネパールにいた時、イギリスに行くか日本かという選択の中で、日本のODAで1年間200人の日本人と一緒に働き、日本人が6時に起き夜の6時までまじめに素晴らしい仕事をする、その勤勉さ、誠実さ、一生懸命さに感銘を受けて、日本に参りました。日本の経済発展は戦前からの素晴らしい教育にあることに気づいて、ネパールで最初にやらなければならないのは教育改善だと思い、米山記念奨学金や米山梅吉氏の話を聞き、1997年に北海道マルディコラ・ネパール教育基金を設立し、今年で16年になりました。これまで1800人に奨学金を出し、それを受けた人たちは医師や教師になっており、やはり教育は大事だなと思っています。

 ロータリーの良さは、ポリオ絶滅活動のように、一人ひとりが少しずつを出し大きなことをすることです。ビル・ゲイツ氏が沢山のお金を支援していますが、ロータリーが先頭に立つことで他の人も付いてきます。私もこれからも教育分野の活動を皆様と一緒にやらせていただきたいと思っています。

 日本で学んだ米山奨学生は、少し前までは年間約800人でしたが、最近は700人で、今年度まで約1万8200人になっています。日本と121カ国の母国の架け橋として、心から日本を愛する親日派が世界に旅立っており、活躍しています。

 日本政府による奨学金は金額面では大きいのですが、大学に所属しても、その拠り所、親近感がなかなかできないと聞いています。しかし、ロータリーの奨学生には、必ず世話クラブがあり、「うちの奨学生です」ということで常に連絡を取り合い、何らかの形でつながり続けます。それはある意味、世界平和です。日本が戦後に創った許し合う社会、世界平和は、日本から世界の人々が学ぶことだと思います。なぜかと言えば、戦争の時にアメリカにそれほどやられても、その後はアメリカと仲良くなってこんなに発展しています。許し合う精神を伝えるのは、民間人である我々米山奨学生の役割だと思っています。私も、5年前に創った東京米山友愛ロータリークラブの会員として、ロータリアンとしても恩返しということで関わらせていただいています。

 私は、ネパールの今後の経済発展について、環境破壊のない経済発展をどのようにすればよいか、少しずつ考えています。ネパールは、お釈迦様の誕生の地であり、平和の地でもあります。インドと中国の間にある内陸の国で、いろいろな意味で経済発展は成し遂げていません。インドと中国の高度成長の波にこれから乗るところです。

 ネパールの資源は、水です。先進国では今、安く水力発電はできませんが、ネパールではヒマラヤから流れる河を利用し、安く、大体1Kwh当たり2円位で発電できます。初期投資は、1MW当たり1億2000万円位です。同じ発電設備でも、太陽光だと2億5000万円位、風力は2億円位になります。安く水力発電してインドに売り、また外国企業、特に電気を使用する企業を誘致したいと思っています。

 今後は、国をつくるため、慈善事業から投資へのシフトを考え、10年間日本の大手企業で培った多数のノウハウ、知見をネパールの発展のために活用し、少しでも貢献したいと思っています。ネパールのために役に立ちたいと思われる方がおられましたら、ぜひご連絡下さい。日本の1950年代のような国ですので、何をやっても最初になります。何かを成し遂げるならばネパールに今一番チャンスがあると思いますので、ぜひよろしくお願い申し上げます。