卓話


イニシエイションスピーチ

2013年6月5日(水)の例会の卓話です。

ロイック・レトレ君
早川吉春 君 

価値創造リーダーへの道

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代表取締役 早川吉春 君 

 価値創造の源流であるクオリティ・マネジメントの流れを受け継いで1998年4月に発足した「価値創造フォーラム21」は、アメリカにおける当時の旧世代ビジネスから新世代ビジネスへの動向変化の中で、1997年12月のロバート・B・タッカーの著書『価値革命への挑戦』をベースに、価値創造マーケティング、連携・パートナリング・共進化、ワン・ツー・ワン対応、エンパワーメントなどをキーワードとして今日まで15年間研究活動を続けております。

 この流れの中で私どもは、価値を社会的価値や文化的価値を含む、より奥深いものとしてとらえてきました。そして、価値創造企業には数値化できない企業文化や脈絡とした遺伝子が存在し、価値創造の原点には常に顧客に対する価値創造があること、さらに絶対価値の創造と深化がそれぞれの企業の持続的発展へつながる、ということを学びました。その意味から私どもは、価値創造企業の前提には「クオリティ・マネジメントの企業遺伝子」と「絶対価値を追求する価値創造のリーダー」、これが同時に存在することであると考えております。

 そして、価値創造のリーダーシップの原点には常に“絶対の競争”への視座が必要なのであり、まさに競争が創られた価値をライバル間で奪い合うスタイルから、いかにより高い市場価値そのものを創造するかというスタイル、つまり「相対から絶対の競争」に向かって動きはじめているということも学びました。

 現代のリーダーの分類については、インテレクチュアルなワシ型人間とインテリジェンスをもつダチョウ型人間、さらに絶対価値と相対価値の組合せで、私自身がリーダーを5種類に分類した仮説を作り、今日に至っているものです。

 まずインテレクチュアルなワシ型人間とは、ビジネスモデルを創造できる人です。このうち、「絶対価値をもつワシ型人間」が、私は価値創造リーダーだと思っています。時代を見渡すような深い構想力と哲学的なリーダーシップを持ち、江崎玲於奈先生のファースト・ランナーの条件そのものなのです。「絶対価値をもつダチョウ型人間」とは、足腰の据わった実務家であり、絶対価値をもつワシ型人間とその価値を共有しながら、基軸がぶれることなく、きちっと実務をこなしていくリーダーのことです。

 「相対価値をもつワシ型人間」とは、典型的にはジャック・ウェルチです。ウェルチは、アメリカにおける新しいビジネスモデルをつくりました。「相対価値をもつダチョウ型人間」は、いわゆる効率屋リーダーです。「相対価値をもつブロイラー型人間」とは、最近の教育制度で生まれ育ったインテリジェンス面のみ優秀な人たちです。

 私は先達の経営者の皆様との出会いを通して、「価値創造リーダーへの道」には3通りあるように思っております。

 まず顧客とともに進化し、MD業務改革をリードする経営者です。感性とインフラの共存する企業づくりをめざして、常にお客様とともに進化し、MD業務改革をリードするタイプの価値創造の経営者といえます。

 次に理系の心をもつ経営者です。理系の心の経営者の多くは理系出身者ですが、科学的論理性によるマネジメント展開の背後に、必ず市場原理と人間原理をあわせもち、人間的魅力とソフト・パワーに基づくリーダーシップを発揮されているといえます。

 最後にCHO的フロネシス経営者です。エグゼクティブCHO的経営者がCEOの分身、さらには戦略参謀として尽力し、潜在的なフロネティックな能力が自然なかたちで顕在化しているといえます。

 これらの価値創造リーダーに至る3つの流れから共通する基軸として、まずいえるのが前述の「相対から絶対の競争へ」という考え方です。それからもうひとつが、「市場原理と人間原理の融合」で、価値創造リーダーの皆様は市場原理のみでなく人間的魅力をあわせもって、それぞれの分野で力強いリーダーシップを発揮されています。