卓話


ガバナー公式訪問

2013年7月24日(水)

国際ロータリー第2580地区
ガバナー 吉田建二氏(東京田無RC)

 東京RCにもご高齢の会員がおいでですが,あるクラブでこんな話を聞きました。
 高齢の会員をどう処遇するかということが話題になりました。仲間であることには違いないが,先人を敬う心をなにか示そうということで,正会員の上に名誉会員という称号を考えたそうです。年齢と会員期限を合わせて110歳になった人を名誉会員と呼ぶようにしたそうです。特権はなにもありませんが,若い会員が名誉会員を敬おうではないかということを決めたのだということです。ロータリーには,いろいろな知恵があるものだと感心しておりました。

 私は,端的に言えば,ロータリーは自分を磨き,人を育て,慈善行為等を行う世界的な奉仕団体であると思っております。ロータリーは人間の出会いを作ってくれます。人材の宝庫でもあります。師と仰ぐ立派な方々も大勢おいでになります。  私がガバナーノミニーになった時に,東京RCの水野さんが私を「建ちゃん」と呼んでくださいました。これこそがロータリーのすばらしさだと思います。お互いが胸襟を開いていくことは,お互いを信頼することです。お互いに信用している者たちが集まっているのがロータリーです。

 私が40年の間,ロータリーに関わっているのは,すばらしい人と会うタイミング,チャンスを大切にしているからです。私の仲間のある会員が「ロータリーで出会うチャンスというのは滅多にないことなのだ。すばらしい出会いだぞ。」といつも言ってくれていました。ロータリーでは,自己紹介もなく出会うことができます。ロータリーという共通点のある人達の集まりだからです。

 入会した頃の私は,「職業奉仕」の概念が分かりにくくて苦労しました。「仕事をしているのだから,自分の職業に一生懸命になるのは当たり前ではないか」と思いながら例会に参加していました。ロータリーには,すばらしい事業の経験者が大勢いらっしゃいます。そういう方々と話をして,少しずつ「職業奉仕の理念」が理解できるようになりました。これはとてもすばらしいご縁だったと思います。

 ロータリーの良さが分かれば,大勢の人は入りたくなるだろうと思います。しかしながら,世の中の多くの人々は,「ロータリーとは何をやっている団体なのか」という思いで見ていることも事実です。

 ポール・ハリス氏は,人生の暗い部分ばかりを扱っている弁護士でした。「真実がどこにあるか分からない」という案件ばかりに関わりを持っていて,自分の心が荒んでいくのが寂しくて,交流できる人間を「仲間と呼びたい」と思ったのが,4人のメンバーの出発点だったと聞いております。

 同業者同士だと本音が言いにくい。だからこそ,同業者でない異種業者だけの集まりだとお互いに本音が言えると考え,「1業種1名」と言う組織を作り上げました。これはすばらしい理念でした。

 一般の人達には「ロータリーは,何かよいことをやっている団体なのだ」ということは理解されています。しかし,具体的に何がどうなっているかということが分かってもらえていないのが正直なところでした。

 今でも、ロータリーを知らない人が多すぎます。「そうか,ライオンズクラブみたいな団体だな」という人がいます。ライオンズクラブは社会奉仕の団体ですから,「あれもやった。これもやった。」と行動が目立ちます。いかにも楽しいという印象が世間にも伝わっています。ロータリークラブは職業奉仕が理念の核になっていますから,ライオンズクラブに比べれば地味かもしれません。

 1996年をピークに,ロータリアンの人数が減っていきました。会員数は世界で130万人が目標でしたが,120万人に留まりました。毎年12万人の新会員が入りますが,辞めていく人も同じくらいの数です。その繰り返しが十数年続いています。

 RIは今になって,公共のイメージを作らないといけないと気づきました。聞いた話では,RIはコンサルタントに調査を依頼したそうです。それによると,圧倒的な意見は「ロータリークラブは何をする団体かが分からない」ということだったそうです。

 ロータリークラブのイメージを30歳から45歳の男女に聞いた結果は「年配者が多い。男性中心だ。柔軟性がない。エリート主義だ。」と思われていることでした。「秘密主義だ。排他的だ。」とまで言われていることも分かりました。そんなにまで言われているということは,我々が仲間同士だけで楽しんでいたことに理由があるのではなかろうかという感じがします。

 我々は,何かにつけて楽しい雰囲気を表して行動することが必要だと感じました。職業奉仕においても,「ありがとう」という感謝の気持ちが大事だと思います。私は,「どうもありがとう」という気持ちを常に言葉に表していくように努力しています。

 経済人は「売ること」で生活します。商売では物を売り買いすることで稼ぎます。お客様には商品と一緒に「満足」というサービスも買っていただきます。「よかったよ,ありがとう」と思っていただく結果として,お金を払っていただく。こういう感謝の念こそが,ロータリーの理念に通じると思っております。

 私は2580地区をこのように紹介しています。「我が地区には,日本最古の東京ロータリークラブがあります。遥か1,500km離れた分区にすばらしい沖縄があります。このバラエティーに富んだ東京が,我が2580地区です。」

 私は,今年の1月13日にカリフォルニアのサンディエゴに行って,国際協議会に出席し,みっちり研修を受けて来ました。世界532の地区から532人のガバナーが一斉に集合しました。

 ファーストレディーが付き添っていますから,ホテル全館がロータリアンとその関係者です。窓から見る外の景色のすばらしいホテルですが,景色を愛でる間もなく朝の8時から研修です。同伴した夫人には女性教室が開かれ「ファーストレディーたるもの如何にあるべきか」の研修です。その中に日本人は34人しかいませんでした。

 私はそこで「ロータリーの多様性」を感じました。人種も違う,言葉も違うという多様な人々が一つにまとまっていることに,すばらしさを感じました。

 いつの間にかロータリーも「長期戦略」などという言葉を使い始めました。ロータリーの「5つの中核的価値観・永遠のテ−マ」が再確認された2008〜2009年頃からです。

 最初は「奉仕」です。昔は「親睦の先に奉仕あり」と言いました。今は「奉仕」が一番です。次が「親睦」です。3番目には「高潔性」です。これがロータリアンの道徳観であると言われます。4番目に「多様性」があります。男性もあり女性もあり,アフリカもあればインドもある,という多様性です。そして5番目が「リーダーシップを持つべき人が参加する所である」というプライドです。

 このテーマに従って「クラブの独立性」がいわれるようになりました。

 私は,ガバナーやガバナー補佐は会員の下にあって,中心はクラブ会員だという認識を持ちたいと考えています。地区ガバナーは代表者ではありません。管理人とでも言えばよいでしょうか。私もガバナーになった以上,熱意を持って燃えていこうと思っています。出来るか出来ないかの結果は二の次です。

 2013-14年度のRI会長ロン・D・バートンさんは,かねてよりポリオ撲滅を推進されました。その運動の成果は,もう99%まできたといわれています。あと僅かです。2015年までにポリオ撲滅を達成しようということが目標になっています。ポリオ撲滅に対する義援金のお願いも追って為されると思います。そして,彼が我々に求めているのは「夢のあるクラブづくり」です。

 それから,次世代,新世代の育成が問題です。ロータリーには青少年交換委員会というすばらしいプログラムがあって,インターアクトとローターアクトがあります。問題は,これらのアフターフォローが全然なされていないことです。今になって,何とかしなければいけないということで「ロータリーファミリー」という言い方でまとめていこうとしています。ロータリーは,もっと若者の為に目を開いていかねばなりません。

 ロータリーに絶対に必要なものは何かというと「熱意」です。熱意がないと務まりません。熱意のモチベーションを如何に上げるかということが大切です。クラブの総合的な熱意があってこそ,会員も積極的に参加できるのだろうと思います。

 私たちの地区は3千人を割ってしまいました。もっと仲間を増やしたいと思います。「ロータリーとは,こんなものだよ」と声がけをして,仲間を誘いましょう。その熱意を一人ひとりの会員が持っていただきたい,というのが私の心です。

 私は,今年度に敢えて「会員増強・クラブ奉仕」を掲げ,対外的には「社会奉仕・国際奉仕」を提示しています。会員増強は元気の源でもあり,新しい血液を入れることによって,動脈硬化はなくなるだろうし,全員がフレッシュな気持ちになって,昔の自分を思い出すでしょう。

 私は,地区として4つの提案をしたいと思います。
 第一に「魅力あるクラブづくり」です。楽しい例会にしてください。その為には,やはり退会者を防ぐことが大切です。入会者があっても,退会者が多ければなんにもなりません。なぜ退会者が出るのかを反省しながら,豊かな人間関係をつくりたいと思います。退会防止の努力をしながら仲間を増やしていきたいというのが最初のお願いです。

 次が「地域的には,地域に対する貢献。グローバルな意識では,国際的に示すロータリーのパワー」です。私が参加した協議会でも「国際親善の日」がありました。各民族が踊ります。日本の女性は着物を着て,派手なリボンをつけて「東京音頭」を踊りました。男たちはお囃しです。男女が心を一つにして日本をPRしました。国際的な行事では,日本のPRは欠かすことができません。

 3つ目は「新世代の育成。明日のロータリー作りは,将来ある若者を財団や青少年プログラムでクリアーすること」です。

 最後に,忘れてはならないことは,「職業奉仕の倫理観を重んじること」です。経営者のモラルでもあります。これは永遠に忘れるものではありません。

 以上が私の4つの提案です。まだ始まったばかりです。ご指導をお願いいたします。

         ※2013年7月24日(水)の卓話をクラブ会報委員が纏めたものです。