卓話


イニシエイションスピーチ

2011年12月7日(水)の例会の卓話です。

野村吉三郎君(掲載していません)
河合良秋君

今後の5年間を考えてみる

キャピタル アドバイザーズ グループ 会長
経済同友会 幹事 河合 良秋 君

1.総合安全保障・外交
【自由主義・民主主義・市場経済制・法治主義を基本的価値観として】
・「基本的価値観」を共有する国との同盟関係は重要だが,同時に「自分の国は,先ず自分達で守る」との気概を再構築する
・周辺状況もあり,抑止力として防衛力向上。インテリジェンス強化
・経済・産業面では,米・中2大国の狭間に埋没せぬ「存在感」を示す。将来の日本の経済力を左右するハイテクの強化を明確な国策に
・対中国「戦略的互恵関係」を大切に育てる事が第一義.同時に,同国の将来の『諸リスク』にも留意
 リスクの分散(アジアでは 対中・経済依存度の低いインド,インドネシア等)
・GDP世界3位として,安保常任理事国入(初の非核保有国)を視野

2.国家のガバナンス(憲法は改革の必要に応じ改訂)
・間接民主制の歪み是正(1票格差1.5倍以内へ)
・捻れ国会の機能不全回避のため,衆院の優越性を高める
・首相直轄『大型・国家戦略ヘッドクォーター』設置(出身官庁へのノーリターンルール適用)
 予算の硬直性も打破
・行政を厳しく監督する国会直属の「行政監督庁」の設置
 (米国GAOが参考)
・ICT(情報通信技術)活用で諸官庁の情報を共有化させ,横串機能を目指す

3.財政・社会保障
・特別会計,独立行政法人の内部留保の詳細ディスクローズ。
・消費税率は,15%までは段階的引き上げ
・プライマリーバランス黒字化リミットを2020年とする
・「再就職支援(北欧)型」の失業者支援
  →構造転換にもプラス

4.成長戦略
 (規制改革,イノベーション・ハイテク支援,開かれた国)
・「世界に冠たる環境技術」等,ハイテクの力をバックに成長アジアと共生
・政官民一体で環境,インフラ,生産財等の輸出を拡大

【輸出は重要.日本のGDP輸出依存度(国際比較)は下位】
・内需は諸課題克服のためのニーズを取り込み,需要を創造・開拓(規制改革が鍵)
  少子高齢化対応ニーズ
  地球温暖化対策対応ニ−ズ(Co2排出1990年比15%削減を目標)
(民間活力,地域活力活用)
 郵政(郵貯・簡保)・高速道路完全民営化
 経済特区(北海道,沖縄,大震災被災地区)

【電力と原発】
・原発事故と放射性廃棄物の問題は非常に重い。一方,電力価格,安定供給,CO2排出削減,そして,特に,世界の人口増加による電力需要増大への対応の必要性(化石燃料だけでは到底不足)から,再生可能エネルギー電力の実用・商業化までの「つなぎ手段」として「原発はいわば必要悪」としての側面が強いか。
・再生可能エネルギー電力の研究は最大限の努力が必要だが,短期間での過大な成果の期待は難しいか
・「再生可能エネルギー電力への大幅な依存体制」は,将来化石エネルギー資源の枯渇時までに「果たして実用・商業化が間に合うか」が現実的な議論かもしれない
・わが国の電力は「質」は高いが料金は韓国の3倍程度と国際比較で高く,電力業界に市場競争原理を導入(電力会社も交え議論)。

【その他】
・種々の「国際標準・国際規格」策定会議への積極参加・発言
・イノベーション,ハイテク開発支援のリスクマネー供給促進税制
・シニア世代から若手世代への,金融資産等の移転促進税制
・人材マーケットの流動化
・産業の一部再編(国際競争力強化)及び,所謂ゾンビ企業支援の見直し
・巨大な「都市鉱山」の活用
・円高阻止と円安容認(対中国元及び韓国ウォン)
・現・円高を利用して海外優良企業,油田・ガス田・鉱山買収

5.教育・社会
・グローバル時代こそ自国の歴史,基本哲学,文化への理解が重要

【日本人としてのアイデンティティー】
・戦後教育で弱体であった「自己責任原則,個人の社会に対する責任,連帯意識」の再構築
・過度に知識を詰込む暗記教育よりも自分の頭で考えさせる教育
・ハイテク立国に向け,理科系人材の増強(現状は大ピンチ)
・教師候補生は教職に就く前に「実社会経験1年」を必修とする
・大学では「社会奉仕」を必修科目とする