卓話


会員増強についての考え方
地区青少年交換派遣留学生 帰国報告

8月25日(水)の例会卓話です。

2002年度中央分区ガバナー補佐 元会長
    鈴木 和夫 君
青少年交換派遣留学生
    佐藤 伸昭 君

第4021回例会
   
2002年度中央分区ガバナー補佐 元会長              鈴木 和夫 君

 この8月はロータリーの「会員増強および拡大月間」でありますので、わが東京ロータリークラブの会員増強活動方針についての私見を述べ、皆様方からのご意見を頂き、これからの増強活動の方向づけをしたいと思います。
 そもそもロータリークラブは奉仕の団体であります。クラブ奉仕を始め、職業奉仕、社会奉仕、国際奉仕の四大奉仕を行動規範の理想としていることは、今更、ここで申し上げるまでもないことであります。その四大奉仕の中でも“職業奉仕”が、すべてのロータリー奉仕活動の根幹にあるものと私は理解をしています。
企業活動で毎日多忙を極めている経営責任者によって構成されているロータリークラブが、どのようにして奉仕の理想を実現してゆくのかという問いに対する回答は、頭で考えるより遥かに難しいことでありまして、そのためには、クラブの会員の質と数とが、そのクラブの活動に適当にマッチして、”バランスがとれている”と言うことが大変に重要な要件、いや必要条件であると私は最近、頓に感ずるようになりました。「会員増強・拡大」とは、単純に考えれば、会員の数を増やすということですが、ただ、それだけのことではないと思っています。このことが私の問題提起でもあり、また、その回答でもあります。

 1905年に、当時のシカゴの経済的繁栄の底に流れている乱脈な行動の横行を憂慮し危機感を抱いた、ポール・ハリスを中心とする4人の異なった若い職業人によって、「職業の倫理」について話し合う集いとして誕生したロータリークラブが、来年は100周年を迎えます。そして機関誌「ロータリーの友」によれば、今やロータリークラブは世界の166ヶ国に達し、会員数も121万人を超える大きな組織に発展しています。

 その間に国際ロータリーは、経営者自身の、また、それらの人たちが経営している企業の“倫理性”を高め、それを確りと守るという職業奉仕を通して社会に貢献するという自己研鑽型の奉仕活動を行ってまいりました。しかし、組織が世界中に広がりグローバル化するにつれて、そのような内輪の活動に留まらず、直接的な外部活動にも力点が置かれるようになりました。即ち、社会奉仕、国際奉仕を含む“人類への奉仕”へと活動の範囲を広めてきたように思います。   
 この話は、ロータリーの奉仕活動の根本に関することでありまして、今日の課題である「会員増強・拡大」に、直ちに結びつく話題ではありませんので、一先ず横に置いて、最後に少し触れることにします。

 さて、それでは本題にはいりましょう。 2001-02年度国際ロータリー会長のリチャードD.キング氏が、2001年3月に世界中の地区の次期ガバナー・エレクトを集めて国際協議会を催した時の歓迎の挨拶を、私は改めて読んでみました。その会員増強に関する部分をご紹介します。以下は彼の言葉です。

 「ロータリークラブはそれぞれ、極めて普通ではない高いランクの人々によって構成されています。即ち、ロータリアンは知性、能力、所得、教育、業績において並み以上の人々です。そして目的思考の成功者であります。さもなければロータリーには入会していないでしょう。上級管理職、上級専門職、経営者、自営企業のオーナーなどであり、仕事においても個人生活においても自己の責任で、目標を設定する人々です。しかし、会員増強ということになると、このような成功者である人々を推薦するように務めているにも拘わらず、実際には期待すべきものより遥かに低い目標を設定してしまいがちなのです。そして、私たちが個人の職業生活で行うことより遥かに下回った基準で新入会員の推薦をするのです」と、質の低下傾向に懸念を示した上で、彼は次のように続けています。

 「そこで、私からロータリーの会員を増強する上で、不可欠な概念について次の6項目を提案させていただきます。
1.新会員をロータリーに推薦するのは、全ロータリアンの特権であり、任務でもあります。
2.私たちの求めるロータリアンの質は、心の質です。単に収入や地位ではありません。
3.会員増強は、先ず、適切な人物を探すことであって、適切な職業分類に当てはまる人物を探してくるのではありません。
4.ボブ・バース元RI会長の言葉を借りれば、「もし、ロータリーをもう一世紀存続させたければ、若い人々にとって魅力的なロータリー作りをしなければなりません。」
5. 会員増強を、ロータリー財団と同様に毎年の強調事項ならびにキャンペーンにしなければなりません。
6.ポール・ハリスがロータリーを創設して以来、誰かが人々の心に触れ、そしてロータリーの会員になるよう勧誘をしなかったとしたら、誰もロータリアンにはなっていません。

 21世紀における“人類への奉仕”に対する私たちの夢は、私たちロータリーの指導者が、この6項目の事項に正面から挑戦し、対処しなければ無に帰するでしょう。もし将来に備えることを怠れば、過去の遺物となる運命にあります」と、彼は述べているのです。この言葉はまことに立派であり、ロータリーの精神の基本に沿ったものであると、私は率直に思いました。

 しかしながら、現実はどうもこのようには動いてはいないのです。私はここで彼の言葉の揚げ足を取るなどという魂胆は決してないのですが、そのキング会長も、世界のロータリアンの数が、ついに120万人を割って急激に下降線を辿り出したのに危機感を抱いて、2001年8月に「会員増強―つねにチャレンジ」というRI会長メッセージを出しました。

 その内容は皆さんが良くご承知のことですが、メイクアップの期間を2週間から4週間に広げ、僅か10分か20分くらいで済む委員会での出席をメークアップとして認め、職業分類のシニアをアクティブに戻して1分類の人数の制限をはずし、そして地域の枠を外したり、さらに会員増強の目標として、1つのクラブが1ヶ月に1人のロータリアンの増強をするように慫慂するという、会員「減少」の原因の追及、反省といった基本的な検討ではなく、ただ数を増やすための小手先の手段に力点を置いた手を打ったと言うような印象を私は受けていました。

 彼の奮闘努力が実ったのか、その結果、119万人まで減って憂慮されていた人数が、確かにその期末には、盛り返して124万人に達したのです。これは2002年7月17日のRIニュースで報告された数字です。しかし、その内容を覗いて見ますと、その増えた地域は、今までロータリー活動がそれほど活発ではなかったアジア地区内の国々で、特にインド、バングラディッシュ、韓国、マレーシア、フィリッピン、タイで、2桁の伸びを示しているのです。それはキング会長の意図には必ずしも沿っていません。

 ロータリーの先輩としてリーダーシップをとらなければならない筈の、日本やアメリカやヨーロッパ諸国などの所謂先進諸国では、相変わらず減少傾向に歯止めがかかっていないのです。因みに日本の数字を見ますと、1996-97年度末の13万1千人をピークに、2001-02年度末は11万2千人になり、2002-03年度末は10万5千811人、そして前年度末では10万3千319人と、減少しています。

 なぜアジア地区で増えたのか、その理由は、私の憶測に過ぎませんが、それらの地区においては、経済事情が上向いてきたことも理由の1つでしょうが、それだけに、ロータリークラブに対する地域社会からの期待感が高まったからではないでしょうか。そこで中産階級や上層階級の人たちがロータリアンになることに憧れを持ち、奉仕の理想に燃えて集ってきたものと推察します。

 それでは、先進諸国はその反対なのかと、単純に考えるのは少々乱暴ですが、やはりそのあたりの理由についても無視は出来ないのかも知れません。ロータリーの奉仕活動が、時代の変化に必ずしも十分に応えられていないのではないか、という点であります。

 それは、先ほどのボブ・バース元RI会長の言葉を再び借りれば、「もし、ロータリーをもう一世紀存続させたければ、若い人々にとって魅力的なロータリー作りを行わなければなりません」と言うことであります。

 ここらで、わが東京ロータリークラブの会員増強・拡大について、改めて、考えてみたいと思います。
1920年に日本で最初のロータリークラブとして誕生したわがクラブは、戦時中、一時中断はありましたが、その84年の長い歴史の中で、東京ロータリークラブから分れて出来たクラブが、2580地区・2750地区の東京都内だけでも子クラブが6つ、孫クラブが21あります。このことが、わが東京ロータリークラブの会員増強の結果であるとは決して申しませんが、歴史的事実としての参考資料であることは間違いありません。

 わが東京ロータリークラブは、1993年度のピーク時には会員数384名という記録があります。現在でも330名プラス・アルファという、日本で最大の会員数を擁して活発な奉仕活動を行っています。ニューヨーク、ロンドンなどの大都会のクラブをいくつか訪問したことがありますが、私はこれだけの人数のクラブに出遭ったことはありません。

 それでは東京ロータリークラブは会員増強の必要がないのかと言うような誤解を受けるかも知れませんので、ここで、わがクラブの会員増強の今後の方針についての私見を述べさせていただきます。

 れわれの生活する社会は、20世紀の超工業化社会から21世紀に入って超情報化社会に急転換をしています。IT(インフォメーション・テクノロジー)、BT(バイオ・テクノロジー)、そしてナノ・テクノロジーの花盛りであり、それらのテクノロジーによる社会構造の大きな変化が進行しています。もう1つの大きな変化は、男性社会から男女共同社会への社会構造の変化であります。先日の水野会長のお話ではオリンピックに派遣された日本選手は312名で、その内、女性は171名で男性は141名とのことでした。これは偶々、競技の種類によると言う、お話でもありましたが、このような社会構造の変化の中で、“ロータリークラブだけは関係ない”と言ってはおれない時代になってきました。このことは、わがクラブの会員のどなたも十分に理解されていることです。そこでわれわれも当然それらの変化に対応して色々と実行に移さねばならないでしょう。

 会員増強は、まず適切な人物探しであって、適切な職業分類に当てはまる人物を探すことではありません。これは先ほどご紹介をしたキングRI元会長の言葉であります。形式や規定などに捉われ過ぎて、強引な増強をしようとすると、クラブの質と品位が落ちる。結果として奉仕の理想の実現が難しくなり、単なる“友人同士の友好、昼飯会”になる可能性を含んでいるとの警告であります。しかしそうは言っても、クラブの職業分類は、会員増強の1つの大切な基準であり、拠り所であることには間違いないことですから、現在のわが東京ロータリークラブの職業分類は、時代の変化に十分適応出来ていない分類が少なくないので、大仕事ではありますが、なるべく早く社会構造の変化に応じて改定したいものです。

 幸いにして、現在の東京ロータリークラブは、他のクラブから羨望される質と数と品格を保ち、活動力を維持することが出来ています。それは、1つのクラブの規模として、奉仕活動に邁進出来る限度に近い会員数を擁しているにも拘わらず、質と数のバランスが上手に取れているからに外なりません。

 そこで、わが東京ロータリークラブの増強方針は、現在の数をさらに大きく拡大することに力点を置くよりも、まずは、現在の会員の退会を出来るだけ阻止する努力をすることを、全会員が意識的に行う必要があります。それには、クラブ・ライフをより楽しく、より意義のあるものにすることが望まれます。

 まず、他のクラブからも非常に人気の高い魅力ある卓話の質を更に向上、充実させることが出来れば、退会防止は勿論のこと、新入会員のお誘いに大いに役立つことでありましょう。また、われわれのクラブには、ロータリー・ライフを家族と共にエンジョイ出来る色々な例会や行事があります。例えば、2月の世界理解レディス・デー、3月のロータリー創立記念例会兼家族会、4月の花水木の会、10月の東京ロータリー創立記念家族会、12月のクリスマス家族会や、新入会員のための炉辺会合などなど、これらの会合にもっとご家族を同伴されて、クラブ・ライフを家庭内に持ち込むことにより、ロータリークラブ活動に対する家庭での話題が増えて、理解が深まるでしょう。これも退会防止に大いに一役買うことになると思います。

 そして一方、どうしても転勤や高齢化により発生する自然減を、次の世代を背負ってもらう若い会員で補充し、現状維持プラス・アルファを目指すことが是非とも必要であるというのが私の個人的な考えであります。

 このところ皆さん全員のご努力で、わがクラブの平均年齢が下降傾向にありますが、さらに、若い会員が中心となってクラブを運営することにより、若い新入会員の増強に力を入れて、活性化を図ってゆくことが必要でしょう。

 今年度は3名の純増が計画され、ガバナー訪問の際の協議会でも報告され、ガバナーも了承されています。増強委員会の一員として、その線に沿って努力をしたいと思いますので、どうぞ絶大なご支援を頂きたく存じます。

 最後に、一応横に置いておいた外向きの奉仕活動である、地域社会奉仕、国際奉仕に関しても、米山奨学、国際青少年交換、青少年のローターアクト、新しく独立した青少年育成などの各委員会において、東京ロータリークラブの素晴らしい会員がフルに奉仕の精神のもとに活動しておられます。このことによって、次世代を背負うそれらの若い人たちの中に、わが東京ロータリークラブのロータリアンの卵が育っていくことになると確信しています。

 この月初めの例会で配布されました、この、「ロータリーの友8月号」に、THE ROTARIANの8月号のRI指定記事として、ウェイン・ハーン氏の「新会員募集の一方で」とアンソニ・G.クレイン氏の「範囲を広げて」という新会員募集に関する意見が、10ページから15ページに、載っていましたので、既にお読みになった方も多いと思いますが、未だの方は、お時間がありましたら、ご一読ください。

 皆様の貴重な時間を頂きながら、結論が明確でない話になりましたことをお詫びして、わたしの話を終わらせていただきます。
  

地区青少年交換派遣留学生 帰国報告                     
                                   佐藤伸昭君

 ただいま!元気に帰ってきました!!東京RCにスポンサーしていただきロータリー青少年交換派遣留学生としてドイツへ1年間留学し8月7日に無事に帰国いたしました。

 まず、最初にこの1年間でトランクには入りきらないほどの一杯の思い出と経験を持って帰って来られたのは、やはりロータリークラブ、そして皆様のご支援のおかげだと心から感謝申し上げております。特に大変お世話になった遠山様、龍村様、宮崎様、川上様本当にありがとうございました。

 出国前はぎりぎりまで野球をしてまわりの人をハラハラさせていた僕ですが、本当に向こうでの生活を120%楽しみ体重もたっぷり増量して帰国しました。ドイツというヨーロッパの中でも歴史の深くそして濃い国へ行き、そこから1年間、自分でも忙しかったなぁと思ってしまうくらいあちらこちらへとヨーロッパを走り回って来ました。

 この1年で得た一番大きいものはやはり1年中休み無く繰り広げられた「人々との出会い」だと思います。18年間東京で、その中でもごく限られた世界で過ごしてきた僕が世界中の人と出会い色々な考えと巡り合えたことは、本当に良い経験になりました。中でも無理をいって1年間続けてホストファミリーをやっていただいたフルックファミリーは大当たり中の大当たりで、1人っ子の僕が3人のホストブラザーと1人のホストシスターの中に入り、連日連夜の大騒ぎ。帰国直前の7月には家族旅行兼修学旅行ということでクロアチアにも連れて行ってもらったりもしました。

 Host family, guest studentといった関係ではなく本当の家族の一員として受け入れてもらえ、注意を受ける事もあれば、自分の意見を主張する事もあったし、何よりも、今胸を張って僕には2つの家族がいますといえるという事が本当に嬉しく、そして今の僕の自信にもなっています。他にも、人口約13万人という小さな都市、フレーマーハーフェンだった事で、逆に人(知り合い)の輪というものが大きくそして太く、色々な所に顔を出していた僕はちょっとした有名人生活を送る事が出来ました。学校の友達もたくさん出来て、ここではちょっと書けないような思い出も色々増えました。また、地域のサッカークラブにも入ってそんなところまでドイツの「ライブ」の生活をして、さらに友達の輪を広げる事が出来ました。

 やはり1年を送るという事で言葉の面というのは不可欠な物になってくる訳ですが、英語と近いグループに属するドイツ語とはいえ、文法など沢山難しい事もありましたが、家族、友達に教えてもらいながら1年かけてじっくり勉強しました。最初は思うように日本語で思ったような細かい意味、感覚が伝えられないという事で悔しい事もありましたが、徐々に皆が周りで話す事が分るようになり話に割り込める様になった時、外国語で友達を笑わせて大騒ぎした時の嬉しさは何とも言い表せない様なものでした。

 この1年間は今迄にない位、脳味噌をフル回転させていたような感じがします。思った事を話すのに考えながら、文を組み立てながら話さなければいけないという言語の面も勿論ありますが、それだけではなく東京では情報が溢れそれに自分の考え、意見までも左右されていたような感じがしています。それをドイツでは東京にいた時には聞き流していたような事について感性のアンテナを常に張り巡らし、考え、自分の意思というものを持てるようになったのは貴重であり、新鮮な経験となりました。

 また、外国の目から見る日本というのは本当に興味深いもので今まで以上に自分の母国である「日本」について知りたくなると同時に、1週間一緒に住む事が出来た南アフリカからの牧師さんから等の話で今まで自分が日本でどれだけ恵まれた生活をしてきたかという事を気づく事が出来ました。

 最後の晩に僕の“ママ”が僕に言った「あなたが魔法を使えて、時計を戻せるのならいいのにね、もう1度、1年の最初から始められたらいいのにね。」というフレーズを僕は忘れる事は一生ないと思います。この様な素晴らしい出会い、思い出、経験、をサポートしてくださった皆様に本当に感謝しています。本当は欲張ってあと2、3回派遣していただきたいのが本音なのですが、時計を戻すのも難しそうなので次は自分の力で勉強をして、そして得た素晴らしい経験を生かしてこれから世界に向けて飛び立つ後輩の派遣生、そして日本にやって来る来日生の為のお手伝いをしながら、時計の針を何とか早送りさせて、少しでも早く家族と再会出来るようにしたいと思います。本当にありがとうございました。