卓話


イニシエイションスピーチ

2009年6月10日(水)の例会の卓話です。

オットー・ベンツ君,
諸星俊男君 

The future of the aviation industry

ルフトハンザドイツ航空会社
日本支社長  オットー・ベンツ君

航空業界には経済不況や新インフルエンザの影響など、暗い話題が多いのですが、個人的には、この経済不況により、航空業界とそのお客様にとって多くの魅力的な変化が起こるであろうと楽観的な見通しを持っています。

業界アナリストの大半は、航空業界の2010-2020年の成長率は、アジア市場の成長等により長期的には平均年率で4-5%に落ち着くと予想しています。

 競争に勝ち残れる航空会社はビジネス環境に適応し、現代的で燃費のよい航空機材に投資できる会社です。今後も続くであろう航空業界における提携や統合は、お客様にシームレスかつ多様な旅の選択肢を提供します。

 航空業界は3200万人を雇用し、世界全体のGDPの約8%を担っていますが、CO2の排出量は2%に過ぎず、これほど環境効率のよい業界は他にありません。また、先進国と発展途上国の交流促進、直接会談による紛争回避・解決等、人類の交流やコミュニケーションにおいて大きく貢献してきました。

 環境対策には積極的に取り組んでおり、過去40年間において燃費を70%向上させ、2020年までに更に25%向上させる予定です。排出量ゼロを達成するために、技術への投資、より効率的なフライト、より効率的なインフラの構築・運営、税控除やR&Dへの資金提供等の環境対策を促進する社会インフラ構築が必要です。

今後25年はバイオ燃料がケロシンの混和材として徐々に多く使用されるようになり、その後は炭素系でない燃料に移行されていくと考えられます。そして2050年にはCO2排出量は2005年比で50%減となるでしょう。

航空業界は、環境効率を向上させつつ、極めて重要な役割を果たし続けます。
空には無限の可能性があるのです!

情報量の爆発的増加と企業の対策

EMCジャパン株式会社
代表取締役社長 諸星 俊男君

 デジタル情報量の増加は、我々の予想をはるかに超えて進んでいる。社会全体がデジタル化に進む中で、爆発的に増え続ける情報により企業にどのような影響が起こり、対応が求められるのだろうか?

現在の社会は、時の必然であるかのように、デジタル社会に向けて進んでいる。例えば、テレビ、IP電話、携帯電話、デジタルカメラ、ビデオカメラ、PC、インターネット、電子メールなど、身近に利用しているものもデジタル製品への移行が進み、デジタル社会の産物としてデータが生成され続けているものである。

 デジタル情報の多くは、日々の生活に関係していることが多い。それは、「テレビを見る」「電話をかける」など活動そのものの為に生成される場合もあるが、クレジットカードを利用した履歴やWebを検索した履歴、証券取引の情報、コンビニエンスストアーや街に広がる監視カメラに無意識に取られた画像など、個人活動の裏側で生成されている場合も多くある。

 その比率は個人の活動により生成された情報より、個人活動の裏側で生成されている情報量のほうが多くなると考えられている。それは、企業にとって個人の活動の裏側で生成された活動記録にビジネスチャンスがあるためである。しかし、これらの情報を活用する為に、企業は情報セキュリティ、プライバシー保護、営業機密情報保護などに対する法令遵守が求められる。他にも企業は、訴追などの際の説明責任を果たす為に多くの情報を長期保存する義務や、企業機密情報保護の為の高いレベルのセキュリティを導入し保護する義務を負っており、多くの企業のチャレンジとなっている。

 情報増大は、生成・複製される情報は年率60%で増えていくとされる。ここで考えるべきは、ビジネス活動と共に生成される情報と、情報を活用・保護する為の複製情報のうち、複製される情報量を減らすことではないか?調査を見ても、複製される情報量は、情報全体の75%を占めるとしている。複製の情報を減らす方法はいくつも存在している。その一つが、情報共有目的のスペースに情報を一つ置き、みんながそこから閲覧するというオペレーションによる解決である。しかし、情報をコピーしたり転送したりしてはいけないといったルールを守らせることが難しいため、オペレーションを制御する仕組みが必要となる。それでは、オペレーションをそのままに複製の作成を制御する方法は無いか?ITインフラのストレージハードウェア/ソフトウェアの重複除外(情報の書き込み指示の際にその情報を分析し、同じ情報は2度書き込ませない)機能を利用する方法である。

 安全に情報を長期に渡り保持する為には、入念な計画に基づいたものでなければ莫大な費用と業務を要することになる。そこで、業務(=アプリケーション)ごとのビジネスインパクト(重大性 x 緊急性)の観点から、業務がどのようなサービスレベルで利用・維持できなければならないか、また、その業務で利用される情報はどのようなセキュリティレベルで保護されていなければならないかについて、全社で調査することでITシステムの無駄を発見でき、コスト削減にもつながって行く。全社的に整理されたITシステムを維持・管理していけば、長期にわたる情報の保持も可能になってくる。

 情報の増加は時代の流れからも止めることは出来ない。ビジネス戦略上重要な企業資産であることを前提に、企業は今後も増加する情報と上手く付き合う方法を導き出さなければならない。今のIT技術の活用で、情報量の増加を抑え、整理して運用・管理することが可能である。情報を抱えることでのリスクの大きさよりも、社内情報共有による業務の効率化やお客様との良好な関係の構築と維持、活動目標に対しての達成予測の精度や結果と反省、情報分析による新しいビジネスの創出、M&A後の企業統合など、ビジネスと結合して情報を有効に活用することで企業活動を活発にすることを目指すべきである。