卓話


イタリア料理の食材とその起源

2015年9月9日(水)

日欧商事蝓‖緝充萃役社長
ティエリー・コーヘン君


 今日はイタリア料理の歴史についてお話します。今やイタリア料理は世界各国に広まって、イタリアのアイデンティティの一つになっているといえます。

 日本料理とイタリア料理には、生の魚をたべる、麺類の種類が豊富にある等類似点があり、両方ともユネスコ無形文化遺産になっています。最も重要なのは、「素材を活かす」という点です。

 しかし、その歴史は全く違います。日本は縄文時代などに、米や箸など中国、韓国や仏教の影響を受けましたが、9世紀から何世紀も閉鎖的であったため自ら発展しました。イタリアは常に侵略を受けていたので、外部から様々な影響を受けました。有名なものには、紀元前3世紀のハンニバル総督の侵略があります。ローマ帝国が1500年頃崩壊し始め各地で独自の食文化が発展し、この100年でイタリア料理として世界に広まりました。一つの国となった今も各地域に独自性があり、例えばチーズ、ワインの種類にも地域差があります。

 ここでイタリアの食材の歴史について見てみましょう。

オリーブオイル:10000年前のメソポタミア時代、最初に植えられた木の一つがオリーブでした。6000年前に地中海に広まり全国に植えられました。イタリア産オリーブオイルは最高級品です。

トマト:コロンブスが1493年メキシコからスペインに、スペイン人がナポリに持ち込み、「金のリンゴ」=Pomi Doroと呼ばれ、ポモドーロ(イタリア語でトマト)となりました。

パスタ:エトルリア人の墓に3000年前の、パスタを作っている様子が書かれた壁画が見つかりました。当時は茹でずに焼いていました。パスタが一般的になるのは16世紀です。

ピッツァ:ギリシャ人が丸くて薄いパンの表面にオイルを塗り、スパイスをのせて焼いていました。ナポリに1830年頃できた最古のピッツェリア、アンティカ・ピッツェリア・ポルタルバには、ヴェスヴィオ火山の溶岩で作ったオーブンがありました。ピッツァにはマリナーラとマルゲリータしかないという人もいます。マリナーラは漁師の妻が夫のために焼いたことから、マルゲリータはイタリアが共和国となった1889年にウンベルト1世と王女マルゲリータのために作られたトマト、モッツァレラ、バジルを使ったピッツァがイタリア国旗の色に似ていたことから名前がつきました。

パルミジャーノ・レジャーノ:イタリアの250種類のチーズのうち、世界的に有名なものの一つがパルミジャーノ・レジャーノです。産地にちなんだ名前をつける考えはローマ時代からあり、今のDOP(原産地保護呼称)にも残っています。12世紀パルマの修道士が作り始め、似たチーズを作っていたレッジオ・ロマーニャの人々と1934年協定を結び、パルミジャーノ・レジャーノとなりました。

モッツァレラ・ブッファラ:アラブ人がシチリアに持ち込んだ水牛を、ノルマン人が1000年前にナポリに持ち込み、作られるようになりました。製造工程の「引き裂く」”mozzare”からきています。18世紀に有名になりました。

プロシュート(生ハム):ローマ時代から2000年間作り方は変わっていません。豚の後足に塩をすりつけてから熟成します。

 このようにイタリア料理は外部から影響を受け独自の発展をした後、世界へ広まっていったわけですが、同じようなことがオーガニック食品にも言えます。2013年世界の消費量は720億ドルで、アメリカ43%、ヨーロッパ40%。年10%の成長です。オーガニックの農地も急増し世界全農地の1%近くです。日本ではオーガニック農地はまだ0.3%ですがイタリアは10%以上です。日本料理の大ファンとして、イタリア料理が世界に広まったように日本料理もどんどん広まっていくことを願っています。


J-REITの概要と社会的意義

2015年9月9日(水)

ケネディクス蝓‖緝充萃役社長
宮島大祐君


 今日は不動産アセットマネジメントビジネスの中心となる、「J-REIT」について「その概要と社会的意義」をお話させて頂きたいと思います。

 REITとは米国を発祥とする商品で「Real Estate Investment Trust」の略称であり、日本語への直訳では「不動産投資信託」となります。

 J-REITは賃料から得られる利益のほぼ全額を分配すること等を条件に、法人税がかからないという「税のメリット」と「東京証券取引所に上場される事から得られる流動性」という2つの大きなメリットがあり、小額な資金により常に取引できることも、特に個人投資家の皆様には非常に大きなメリットだと思います。

 また、個人投資家に解り易く、グローバルな投資家も充分に理解できる情報開示およびコンプライアンス体制が構築されているのも大切なポイントといえます。

 次に、市場規模やJ-REITの成長展望についてです。
 J-REITがもつ優位性と不動産市場の活性化により、現在では53銘柄、時価総額も10兆円を超える規模にまで成長してきました。また、規模の拡大にあわせて投資対象も、当初のオフィスから始まり、賃貸住宅・商業施設、物流倉庫やホテル、近年では介護施設を中心とするヘルスケア・アセットへと広がりを見せはじめ、今後の発展・成長の余地があると考えています。

 つぎにJ-REITの安全性についてですが、リーマンショックの際は、2008〜2011年の間に約70社もの不動産関連企業が倒産した中、J-REITにおいてもいくつかの問題が発生したものの、J-REIT同士による合併が進み大きな混乱には及ばず、安定性・安全性という意味でも優良な投資商品であることが証明されています。

 続いて、J-REITがもつ社会的意義についてです。
事例として、倉庫は伝統的に大手倉庫会社が保有し、安い利回りを付けてもなかなか買い 手がつかないのが一般的でした。そこに物流倉庫専門に投資を行うJ-REITが上場し、倉庫 市場に大きな革新の動きをつくりました。J-REITの規模の拡大と市場の成長により、投資 家がJ-REITに期待する利回りが大きく低下し、その価格の上昇は、新たな開発の推進に大 きく貢献することになりました。

 最近ではさらに、J-REITによる積極的な新型倉庫の取得がeコマースビジネスの成長を後押しし、幅広い投資家の資金がJ-REITを通じて流入し、新たな流通ビジネスの拡大を推進、まさに市場のイノベーションを引き起こしています。

 現在J−REIT市場では実例をあげた物流倉庫の事例に続いて、老人ホーム 所謂ヘルスケア施設市場の成長の試みがなされています。現在は小型ながらも3銘柄が上場されました。REITの出現により、老人ホームのオペレーターも、多大な資金を要する施設の開発保有から解放され、質の高い入居者の満足度を満たす運営と、今後大幅に不足するであろう施設で働くスタッフの教育と確保に専念する効率的な協業体制がさらに強化されることにより、持続性のある市場の拡大が実現されます。

 最後に、J-REITには優位性や安定性がありますが、一方で単なる有利な投資商品として投資家への利益配当のみを目的とした商品になってしまうと、J-REITに未来はありません。

 先ほどの物流倉庫や老人ホームの事例の様に、J-REITによる積極的な成長市場への不動産投資は、市場の成長を後押しするのみならず、不動産分野における新たな価値創造につながります。

 また、不動産を保有する「企業」に対して資本効率を重視する市場がもとめる期待利益はより高いものになり、J-REITが集めた資金を企業が保有する不動産に積極的に投資をすることは、結果的に企業への新たな成長資金の提供につながります。

 J-REITが果たす役割は、個人投資家への優良な投資商品であるとともに、リスクとリターンに即した有効な資本の再配分、リサイクルキャピタルにより、成長資金を幅広く市場に提供しつづけることが、更なるJ-REITの成長に求められる重要な課題になります。