卓話


ガバナー公式訪問

2009年7月15日(水)の例会の卓話をクラブ会報委員が纏めたものです。

第2580地区ガバナー
多田 宏 氏(東京神田RC)

 皆さんのお手元に『Enter to learn, go forth to serve.』と印刷したカードをお配りしました。これはRIの標語の一つであります。『入りて学び,出でて奉仕せよ』という言葉を簡潔にして要を得ていると思いましたので,2580地区の方々に是非知っていただきたいと考え,公式訪問の機会を利用して全員にお配りしています。どうぞ日常の机上に置いて,心の扉をノックする手立てとしていただければ幸いです。

さて,私の挨拶は,7月のガバナー月信で述べております。ご一読いただいて何かの機会にご講評を賜ればありがたく思います。

 実は,この GOVERNOR'S MONTHLY LETTER はRIの方針では,クラブの会長と幹事にのみお届けすることでよしとしているのですが,当2580地区では以前から全員に配っています。 分量も少しずつ多くなってきました。そこで私は,2009年7月発行のvol.1から,内容に「変化」をもたせました。いわゆる地区の情報誌ではなく,地区内クラブの会長・幹事にガバナーが発信する情報誌であるという性格を鮮明にしました。こういった「チェンジ」を試みていますので,是非読んでくださるよう,お願いしておきます。

 John Kenny会長のご紹介については『ロータリーの友・7月号』で十分に紹介していますから,お目通しくださって,Kenny会長のお人柄やお考えを知っておいていただきたいと思います。私は,Kenny会長は実にオーソドックスな方であると認識しております。

 RI会長は「いま,RIは曲がり角に来ている。この先,一体どう曲がるのか。例えば,全体の会員数は伸びているが,伸びている国はインド・韓国・アフリカだ。ロータリー先進国といわれるアメリカ・日本・オーストラリアでは減っている。このようなことでいいのだろうか。

 たしかに会員増強は大切であるが,肝心の職業奉仕を通して世の中の役に立つ,あるいは,自分のエルネルギーを無償で提供することを誇りにしているロータリーとしては,その奉仕がなおざりになってはいけない」と述べておられます。私も同感でありまして,会員各位も否定する人はいないと思います。

私は先般のバーミンガムでの国際大会に参加した後,グラスゴーに行きました。Kenny会長の出身校であるグラスゴー大学を訪問しました。グラスゴー大学は800年の歴史をもった大学だそうです。法学部や医学部は世界的な人材を輩出していることで有名だそうです。

たまたま夏休みの休暇中で学生の姿は見えませんでしたが,とても大きな大学で,キャンパス全体が街を形成しています。800年前に立てられた塔も立派に残っており,ガイドが「産業革命の時に石炭をどんどん焚いたので煤煙で黒くなってしまった」と説明していました。

そういう所で青春時代を過ごされたJohn Kenny会長は,非常に哲学的,思索的で,かつ文学的な人であり,即物的でない青春を送られたことが理解できました。

Kenny会長は,演説の中で「RCは普遍的なものではない。厳選された倫理観の高い,意志の強い,人間愛に満ちた特別な人が集められたクラブだ。一人一人の力は弱いけれど,それが集まれば世界を動かす大きなこともできる」と言っておられます。

RIは解決すべき直近の諸々の問題をもっています。RIの強調事項は,ポリオ撲滅,水不足の解消,保健と飢餓対策,識字率の向上であることはご承知の通りです。これらを達成するには「人の力と金」がいります。

ポリオ撲滅では,ビル・ゲイツ・シニアが1億ドルの寄付をされました。そこで,RIは世界中のロータリアンを動かして同額の寄付を集めるチャレンジグラントを決めました。日本の場合は3千円ずつ3年間という計画で進めています。その計画が終わらないうちに,今年の国際協議会で,今度はビル・ゲイツ氏本人から2億5千5百万ドルのポリオ・エンドに対する寄付金のオファーが出されました。そこで,RIがさらに1億ドルのチャレンジグラントを上乗せする計画を発表しました。この計画に対して,日本の34地区のうち18〜19の地区から異議が出ました。結果的に追加の寄付は強制せず,できるだけ協力するということになりました。当2580地区は地区活動補助金がプールされておりますので,既に追加分については支払済になっています。

一方,RIには遠大なる計画があります。それは,地球上から紛争をなくすということです。これは夢のような話です。しかし,夢のような話だとして放置すれば地球はもっと荒れます。自滅するかもしれない。だから,RIは,その遠大な計画に対して一歩踏み出さねばならないというターゲットを描いているわけです。これには「金も人も時間も」かかります。

まず,人づくりをしなければなりません。国連大学のようなRI大学を創ろうという計画があるそうですが,これは実現できませんでした。そこで,国際関係を研究するために「7ヶ国の8大学」にロータリー・センター(紛争の解決と平和における国際問題研究のためのロータリー・センター)をオファーしました。将来,紛争の解決に役立つ人材をマスターかドクターのコースで育成してほしいという計画です。

パリ大学には賛同を得られず,結局,7つの大学でこのプログラムが動いています。ご承知の「世界平和フェローシップ」として,我が国では国際基督教大学が受け入れています。世界で最も紛争が多い地域はアフリカです。そこで,RIはアフリカにRCを作ることに積極的です。地域の指導者たちをロータリアンとして支援して,RIの考え方を啓蒙して紛争解決の一助にしたいという考えです。

 それが2007年度におけるRC設立の条件緩和に結びつくわけです。

 話変わって,RIの会員が世界的にどう分布されているかについて言及したいと思います。2009年6月14日現在の数字を参考に考えますと,世界中の会員総数は1,234,066人です。そのうち上位10カ国の会員数は 885,281人,この数字は全体の72%です。
注:上位10カ国は(米・印・日・韓・伯・独・英・伊・仏・豪)

 世界全体のクラブ数は33,658クラブ,上位10カ国のクラブ数は22,223クラブ。この数字は全体の66%です。

日本は,かつて,世界第2位のロータリー大国でしたが,現在は,インドに越されまして第3位になっています。

地区の上部にゾーンがあります。ゾーンは3万5千人の会員で1ゾーンが形成されます。世界全体で34ゾーン。日本は95,010人の会員数ですから,3ゾーンというわけです。

 3年に一度の規定審議会で,見直しが行われています。

主にアフリカ,中東などは拡大傾向にあります。他の発展途上国も伸びています。しかし,日本,アメリカ,オーストラリアは減少傾向にあり,特に日本は厳しいとの見通しです。将来の姿は,まさに私たちの双肩にかかっていると言っても過言ではありません。
 最後に,RIから,ロータリアンに実行していただきたい責務を三つ申します。
A 会費を払うこと。
B 例会に出席すること。
C 『ザ・ロータリアン』または地域誌『ロータリーの友』を読むこと。

会費を払うのは当たり前のことですが,世界的に見ると,払わないクラブが結構あるそうです。また,例会に出席しないとロータリアン同士のコミュニケーションがとれなくなります。そうすると,ロータリー活動そのものが停滞してしまいます。三つ目には,地域誌を必ず読みなさい。地域誌とは,日本の場合『ロータリーの友』を読んでくださいというわけです。

これらが,RIからロータリアンに対して言っている責務です。

私は,四つ目に「D」として「各会合には極力最後まで出席して学ぶこと」を加えたいと思います。

私は,「入りて学び,出でて奉仕せよ」という標語が非常に気に入っています。いろいろな会合が開かれますが,勉強会的な会合には是非参加していただきたいと思います。

年次大会の在り方についても検討したいと思っています。最近の大会に家族の方々の参加が少ないのは残念なことです。

 私は,地区大会企画委員会を立ち上げて,運営クラブだけに任せっぱなしにしないで,何か家族のためにも楽しい番組を作ることを考えています。登録人数ばかり気にするという大会ではなく,参加して楽しいという大会にしたいと願っています。

今年は,いろいろな「チェンジ」を期待していただいて,東京RCからも,大勢の方のご協力を賜りたいと思います。