卓話


企業と持続可能な開発目標(SDGs)

2017年4月26日(水)

損害保険ジャパン日本興亜(株)
代表取締役会長 二宮雅也君


1.SDGsとは何か
 SDGsは、2015年9月にニューヨークの国連サミットにおいて、地球上の持続可能な社会を実現するために2030年までに達成すべき国際目標として、日本を含めた国連に加盟する190を超える全ての国の全会一致で採択された17の目標と169のターゲットからなる持続可能な開発目標です。また、SDGsは、2001年から2015年までのミレニアム開発目標:MDGsの後継として採択されたもので、貧困・飢餓の撲滅、気候変動との戦い、生態系の保全、ジェンダーの平等、国際的なパートナーシップ推進や平和構築など、幅広い課題をカバーする地球規模で体系的な目標が掲げられています。「エネルギーと気候変動」、「海と陸の生態系」や「資源の保全」、「持続可能な生産と消費」など、環境分野における多くの目標が充実しており、「持続可能な発展」の概念定義に沿った目標体系となったといえます。

2.日本政府としての関わり
 SDGsの採択を踏まえて、日本政府も、昨年5月、オールジャパンでSDGsに取り組むとの姿勢を表明するとともに、安倍総理を本部長、全閣僚をメンバーとする「SDGs推進本部」を立ち上げました。また、その下で日本独自のSDGsの実施指針を策定するため、政府、経済界、労働界、市民社会、学識者といったマルチ・ステークホルダーにより構成される「SDGs推進円卓会議」が設置され、経済界の意見を反映させるべく、私も同会議に参加しました。

々駝嬰機運醸成の必要性
私からは、一つ目として、国民全体で機運を高める必要があるということ、そして二つ目として、企業のイノベーション、事業を通じた社会的課題の解決が重要であると申し上げました。SDGsは、日本のみならず、国際社会が持続的な発展をとげていく上で必要な経済や社会全般の目標を掲げるものであり、国民全体でSDGsの実施に向けた機運を高めることが何よりも重要であると思います。そのために、政府だけではなく、NPO/NGO、企業をはじめとするマルチ・ステークホルダーが相互に連携を深め、取り組んでいくことが必要です。

企業の貢献・事業を通じた社会的課題の解決
また、SDGs達成のためには、とりわけ企業が果たす役割は大きく、経済界においても、SDGsに対する理解を深め、SDGsの実現に向けた活動をより一層積極的に展開していくことが求められています。というのも、SDGsは非常に高い理想をかかげておりその実現は容易ではありません。従って創造性とイノベーション力を発揮して社会の大変革、つまりトランスフォーメーションの推進力となりうる企業の役割に、大きな期待が寄せられているわけです。したがって、企業がSDGsに取り組む際には、「事業を通じたイノベーティブな社会的課題解決策の提供」が重要な視点になると考えています。

3.ビジネスチャンスとしてのSDGs
2017年1月のダボス会議に合わせて発表された世界の財界首脳らによる調査報告書によると、SDGsへの取り組みは2030年までに少なくとも12兆ドルもの経済価値がもたらされ、最大3億8000万人の雇用が創出される可能性があるとされています。私は、企業がSDGsに取り組むことは、より良い社会の構築に寄与し、同時に企業価値向上につながるものだと確信しています。重要なのは、企業のもつ技術力を生かした製品・サービスを通じた、つまり事業そのものによる社会的課題の解決、ビジネス・ソリューションの提供こそが、社会的変革をもたらす、大きなインパクトを生むという点です。

 SDGsの時代に企業に求められているのは、事業戦略と一体化した本業での課題解決であり、そこで最も大切なのは、トップの確信と結果につなげるリーダーシップの発揮であると思います。