卓話


会員増強拡大月間例会
ロータリーと私

2014年8月6日(水)

女優 司 葉子氏
(東京恵比寿ロータリークラブ)


(冒頭DVD上映)
 人生は川の流れに似ている。しかも、人々が体験し得ない女優というものであれば、それは「花のながれ」に他ならない。

 昭和29年5月21日号の『家庭よみうり』の表紙の女性が、東宝の関係者の目にとまっていた。8月に公開予定の映画「君死に給うことなかれ」で主演女優が決まらずにいた東宝は、早速彼女に出演を交渉した。相手役は池部良。迷いに迷って彼女は、1本だけという約束で出演を承諾した。そうして、昭和29年7月4日、司葉子は東宝撮影所の門をくぐる。女優としてのスタートを切った。

 1本きりのはずだった。しかし、東宝はすでに看板女優として売り出す態勢をとっていた。翌年、「不滅の熱球」、続いて森繁久彌と「夫婦善哉」、鶴田浩二と「帰って来た若旦那」など、翌年には1年で実に10本の映画を撮った。昭和31年には「社長シリーズ」がスタート。この年は12本もの映画を撮った。
(DVDナレーションより)

 皆さま、こんにちは。司葉子です。ちょっと長い略歴でしたが、いかがでしたでしょうか。若い頃の写真が多いのでどうかと思いますが、「遠くから見たらまだまだ大丈夫よ」と慰めて下さる方がいて、大笑いしました。

 さて、私が第2750地区の東京恵比寿RCに入ったのは、今から19年前です。当時は、どのクラブも「女性は御免」という状況でした。それでは最初から男女あわせたクラブを作ったらどうかということで、当時、恵比寿のサッポロビールの再開発で建てられたウェスティンホテルを例会場として、東京西RCが親クラブとなって、新しいクラブが誕生しました。チャーターメンバーは47人でした。現在の東京恵比寿RCは男性が57人、女性が48人です。この数の差は微妙で、決して男性を上回らないようにという女性会員の心配りです。従って、女性の入会はウェイティング状態です。東京恵比寿RCの女性会員は同性の私から見ても、キラキラして魅力的で目を見張るものがあります。「明日からニューヨークに行ってきます」「来週はヨーロッパに仕入れに行ってきます」といった方が多くて、またその方達がグローバルなニュースを持ち帰って話して下さり、親睦はいたって良好です。男女の数が均衡しているのは全国でも極めて珍しいのではないでしょうか。火曜日の例会には多くの方が見学にいらっしゃり、大変賑やかで、ニコニコボックスも大繁盛です。

 昨年度、第2750地区に初めて女性のガバナーとして舟木いさ子氏が就任されました。今日もお見えです。今年の初めに安倍首相が国連総会で「女性の活躍」と題して演説なさいましたし、世界では現在、ドイツのメルケル首相はじめ、デンマーク、ブラジル、アルゼンチン、オーストラリア、コスタリカ、チリ、韓国など20人に余る女性が首相や大統領として活躍しています。駐日米国大使のケネディ氏、また米連邦準備制度理事会(FRB)議長も初の女性です。日本のオリンピック選手の女性の活躍も大変めざましく、世界的にも女性の存在が大きく変化していることは否めません。そうした点で第2750地区はグッドタイミングで初の女性のガバナーを選んだと思います。舟木ガバナーはテーマを、「新しい風」となさいました。「新しい風」とは何か。ロータリーも世界の変化に適応するよう、変化を求めているということだと思います。

 実は昨年度私は、地区会員増強委員長を仰せつかり、どうしたらいいのかという思いで1年を過ごしました。会員増強委員会のデータでは、当初、入会者より退会者の数の多いことを知り、びっくりしました。記録では、ここ数年はずっとマイナス続きで、特に4、5、6月に退会者が多いことを知りました。そこで委員会では「火の用心作戦」というものを考え、退会しそうな人に話しかけたり、食事に誘ったりというパトロールをしていただき、退会される人を1人でも少なくするよう各クラブにお願いしました。

 8月6日の日本全体の最終報告によれば、前々年度から数字が少しずつ上がってきて、2013年度の日本全体の会員数は減少からプラスに転じたそうです。日本では全体で495名増です。ちなみに第2580地区は減少が止まり、プラス13人、第2750地区はプラス103人でした。RIは120万人を130万人に、日本では8万5千人を10万人にしてほしいという希望だそうです。数は力なり、ということなのかと思っています。

 初の女性ガバナーの舟木氏は、第一回の戦略会議でガバナー補佐の方々に、1人1クラブの拡大をするよう仰せられました。これには皆さん、反発の声が多くて大ブーイングでした。しかし、幸い、日が経つにつれ、ガバナーの熱意が浸透し、最後には5つ新しいクラブが誕生しました。六本木の東京国際文化会館内に東京グローバルRC、麻布のアメリカンクラブ内に東京愛宕RC、東京代官山RC、国際キリスト教大学平和センター内に東京ピースウィングロータリーEクラブ、そしてグアム島にRotary E-Club of Pago Bay Guam RC、この5つのクラブが創立にこぎ着けました。今年度に入り9月には、特別代表を舟木さん、親クラブを東京日本橋RCに引き受けていただき、東京霞ヶ関RCが創立総会をする予定です。年度を終え、拡大は一人ひとりの情熱によるものと実感しました。

 さて、私とロータリーですが、昭和29年、私が映画でデビューした頃は、映画の全盛期でした。第一作は池辺良さんとの共演でした。「一本だけ」という約束で映画界に入りましたが、次々と映画の主演が決まり、私も新人ながら、あっという間にスター誕生ということで、故郷に錦を飾って里帰りをしました。市をあげて大歓迎をしてくださいましたが、その中に「ロータリークラブ歓迎会」がありました。親戚もたくさんロータリーに入っていまして、叔父様達が例の青い襷をかけて迎えてくださいました。叔父様達がいつもと違って、きびきびと若々しくて、素敵と思いました。以後、私の男性観は青い襷の紳士でした。それと同時に、このような大きな組織がどうしてこんなに長く続いているんだろうという興味を持っていましたので、後にお誘いを受けた時は即入会しました。

 私が映画界に入ったきっかけは、東宝、阪急電鉄の会長だった小林一三氏、それから私の勤務していた毎日放送の社長で大阪商工会議所会頭の杉道助氏からのお話でした。私にとって偶然の出来事でしたが、幸い女優として大変恵まれた人生を歩むことができましたので、この幸運をいつか世の中に還元したい、御奉仕をしたいという思いでおりました。

 今、ロータリーに入り、多くの人を通じて映画界以外の世界を知ることができました。そして、人生の先輩、若い方達と知り合うことができました。デビュー以来、映画、テレビ、舞台、そして、主人(相沢英之会員)の選挙、子育てにずっと忙しく過ごしてきましたが、今ようやく時間のゆとりを持つことができました。私は、今こそ私の奉仕活動適齢期と位置づけて、多くのロータリアンの輪の中で、「超我の奉仕の精神」で、世界の奉仕に参加できますことを誇りに思っています。

 今年度は、第2750地区の公共イメージコーディネーター、そしてカッコ付きでロータリー親善大使という肩書きですが、どういうことをするのでしょうか。どうぞ皆さま、よろしくお願い致します。


     ※2014年8月6日(水)の卓話をクラブ会報委員が纏めたものです。