卓話


イニシエーションスピーチ

2007年6月13日(水)の例会の卓話です。

中山堯君,田中栄次郎君 

製造業における請負の問題について

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代表取締役社長 中 山  堯 君

 私が代表を務めさせていただいておりました株式会社スタッフサービスは人材派遣会社ですので、請負業とは直接は関係ありません。従って人材ビジネスにおける隣の業界の話として、多少、心もとない部分はありますが、見解を示させて頂きます。

 昨年来、新聞等で目にすることが多くなった言葉に「偽装請負」という言葉があります。この言葉は、主に製造業の工場などにおいて言われている言葉でありまして、見る立場・角度によっては、その見解は各々様々お有りだという前提で、一般的に、この言葉はどのような状態を意味するものなのか。行政の監督指導では、労働者派遣法違反ということになります。
 派遣法が平成16年3月に改正され、労働者派遣における製造業務が解禁されました。

 それまでは、製造業務の労働者は派遣という形での就労が禁止されていたことにより、民法上の「業務の請負労働」という形態でありました。その製造業の派遣が解禁され、派遣か請負かの明確化を強化することになります。請負として働いていた人が実態は派遣労働者ではないかという行政の監督指導です。

 請負の場合は、労働者に対する全ての責任は請負事業主となり、発注者には責任はないとされています。その為、行政は、労働者の安全衛生の確保、労働時間管理に関し、責任者を確定させ、適正化を図ることを目的に指導をしています。この、「労働者派遣事業と請負との区分に関する基準」は、旧労働省の告示37号による区分基準により確認できます。

 つまり、偽装請負とは、労働者派遣契約を締結せず、業務請負と称して労働者派遣事業を行うことであり、この行政の監督指導は請負事業主・発注者事業所の双方に向けられることになります。

 少し分かりやすい例をあげますと、職場における指揮命令がございます。業務請負というのは、そのまま、ある業務を請け負うということで、ある工程を請負事業主が独立して、そっくりまるごと業務として請け負う。つまり、請負として従事している者は、その業務に関する指揮命令を発注者、つまりメーカーなどの社員から直接受けることはできない、ということであります。しかしながら実際の現場では、メーカーなどの社員の方が指揮命令と受け取られる行動が多い。つまり、責任者・管理監督者が曖昧である。指揮命令をする立場がメーカーなど発注者にある場合は、労働者派遣契約を結ばなければならない。請負を装っている派遣である。偽装請負ということになります。

 この就労実態は派遣であるとされ、直接雇用、または契約形態を派遣に切り替えている企業も多いのではないでしょうか。

 そもそも派遣というのは、臨時的・一時的な労働力の需給調整に関する対策と位置付けられており、派遣法で、予め指定された職種を除き、派遣期間の最長を同一業務において3年と定められております。派遣労働者とされる方々が120万人を超える現在において、この派遣の位置付けに関しては、現在も様々な形で議論されております。

 偽装請負という問題は、派遣という働き方、その位置付け、関係法令、雇用問題、世界における日本の製造業の競争力など、様々な背景・事象が複雑に絡み合っているという現象のひとつであると思います。

 いずれにいたしましても、渦中にある方々は日本における製造業に携わる貴重な労働力に変わりはありません。その方々の貢献度は決して無視できるものではなく、ご苦労の多い、ブルーカラーといわれる“ものづくり”現場で活躍される方々のパワーなくして日本経済の安定的な成長発展はあり得ないと思います。

循環型社会の新しいビジネスモデル
コンテナー レンタル システム
    
イフコ・システムズ・アジア
取締役社長 田 中 栄次郎 君
    
 昨年4月に会員に加て頂きました田中栄次郎と申します。私は1961年(昭和36年)にロータリー財団奨学生として米国のコーネル大学大学院に留学いたしました。その後ロータリー財団奨学生の学友会組織「ロータリーフェローズ東京」設立にかかわり、只今は、日本からの第1回財団奨学生清水長一さんから会長を引き継ぎ、会のお世話をさせていただいておりましたところ、玉村パストガバナーと橋本当時地区財団委員長の御推薦で会員の列に加えて頂きました。

 今日は私のかかわっている仕事に関連して、循環型社会の新しいビジネスモデル「コンテナーレンタル システム」を御紹介させて頂きます。

 さて、最近“地球温暖化”“CO2削減”“京都議定書”などという環境問題に対する危機感が深まり、その対策の1つとして廃棄物を削減し、出来るだけ回収、リサイクルして行こうとする循環型社会の実現が叫ばれてきました。

 こうした動きはヨーロッパ、特にドイツで顕著でして、ドイツの廃棄物削減、リサイクルの強化は早くから徹底していました。

 ドイツでは、こうした流れに対応して、1993年に食品特に野菜、果物といった青果の木箱やダンボールの廃棄を削減すべく新たなビジネスモデルが創りだされました。

 このビジネスモデルは、次のようなフローで成り立っています。
(1)貸し手は、青果用の木箱やダンボールに代わる折りたたんだプラスチックのコンテナーを用意し、産地に貸し出します。
(2)産地は貸し手に、コンテナーのレンタル料(ダンボールの購入費用とほぼ同額)とコンテナーに対するデポジット(保証金)を支払い、コンテナーを組み立てて青果を入れスーパーなどに出荷します。その際スーパーに品物の代金に加え、デポジットも付け替え請求します。
(3)スーパーは、受け取ったコンテナーの数量に見合うデポジットを品代とともに産地に支払い、受け取ったコンテナーは、そのまま店の陳列に使うなどした後、折りたたんで貸し手にコンテナーを返却します。
(4)貸し手はスーパーから返却されたコンテナー数量相当のデポジットをスーパーに支払い、コンテナーとデポジットの旅は完結します。
(5)貸し手は返却されたコンテナーを検品し、破損したコンテナーを除いて洗浄し、サイズ別に保管し、オーダーによって産地に貸し出します。
(6)破損したコンテナーは全て貸し手が引き取り、粉砕して再成形し、また元のコンテナーに生まれ代わります。

 これで循環型社会の3Rの実現です。
いわく;―廃棄物、ゴミを減量する:Reduce―同じコンテナーを循環させ何度も使う:Reuse
―破損コンテナーを再成形し新しいコンテナーに:Recycle 

ドイツで始まったこのビジネスモデルは、ドイツでは広く普及していますが、日本では1995年に合弁会社として技術導入され、以来12年新事業、新システムが経験する苦労を経て、他社も参入し、青果の世界、流通業界で、作業の改善、廃棄物削減の有力な解決策として認知されてきております。

環境問題の重要性が強く言われている今日、省エネの先進国である日本はさらなる省資源、省エネに向けてさまざまなビジネスモデルを検証しつつ、よいものを採用、普及させる努力が必要と思います。