卓話


ロータリーの友を好読から愛読へ

2019年10月16日(水)

ロータリーの友委員会委員長
弁護士法人ロー・モンド
所長 片山主水氏(名古屋東南RC)


 東京RCさんは来年100周年と聞きました。私の所属する名古屋東南RCの親クラブは名古屋南RC、その親クラブは名古屋RCで、さらにその親クラブが東京RCですので、今日は曾孫が曾お爺さんのところにお邪魔して話をするという設定と思っております。クラブ会員数は80名をちょっと越えたところです。

 今日はロータリーの友の委員長兼ロータリーの友事務所の代表理事という資格で呼んでいただきました。この2つ組織の関係、なぜ2つもあるのかを説明するのが今日の目的の一つです。

 説明することは他に2つあり、一つは『ロータリーの友』は創刊から現在まで60年程経っていますが、その発行の経緯の説明です。もう一つは、ロータリーの3大義務の一つ、雑誌を購読する義務についてです。私もロータリーに入会した時、3大義務として、会費を納めること、例会に出席すること、『ロータリーの友』購読の義務があると先輩方から教えられてきました。会費、例会出席の2つの義務はきちんとそれぞれのロータリアンの頭にあり、それをしないとちょっと注意、という格好になる訳ですが、『ロータリーの友』を読む義務はどうなっているのでしょうか。

 これについてRIの細則を読んでも、雑誌『The Rotarian』の代わりに現在我々が発行している『ロータリーの友』を読む義務があるのかどうかは、なかなかわかりません。先輩方からは読む義務があると教えられ、私もそうだと思ってきた訳ですが、その先輩方々はもう亡くなってものを言いません。ロータリーの友の委員長やロータリーの友代表理事を務める中でRIの細則をよく読みますと、『ロータリーの友』を読まなければならない義務はどうもなくて、『ロータリーの友』という雑誌を買えばいいとわかったのです。これは委員長となってからわかったものですから、それ以上のことは言いにくいのです。

 とにかく、RIとして関心があるのは、購読料を払ってもらうことが一番大切であって、読むか読まないかは皆さんの心次第ということです。

 そんなことですから、『ロータリーの友』を読んで頂くためには、我々としてはこの雑誌を面白くしなければならない。読んでためになる、読んで何かが身につく、そうするためには、編集には本当に努力をしなくてはなりません。とにかく面白いものを作ろう、読んでためになるものを作ろう、読みたくなるものを作ろう、お金を出しても読みたくなるものを作ろうということが最終の目的です。

 お手許の『ロータリーの友・手引き書』は、各地区からガバナーの代理として出てきて頂く各地区代表委員に毎年1冊ずつ無料配布しています。これを参考にしながら、『ロ―タリーの友』という雑誌の解説をしていきます。

 『ロータリーの友・手引き書』の表紙の写真、7月号の表紙の一番上のロータリーの友という字の下の写真は、今年のRI会長ダニエル・マローニーご夫妻です。毎年恒例でRI会長ご夫妻の写真でお祝いをすることになっています。これはRIから強制されたものではなく、当ロータリーの友委員会、ロータリーの友事務所でそうした編集をすると決めています。

 一番下、表紙に富士山の絵が出ているものが創刊号です。1953年1月、今から66年前です。富士山の絵は葛飾北斎の「凱風快晴」、暖かい風という意味で、富嶽三十六景の一つです。そうした温かい気持ちを表わし順調にいくようにという思いを込めて使われました。

 手引きの2ページにあるのは、公式雑誌と32の地域雑誌です。地域雑誌は世界の言語ごとにあります。本部で作っている『The Rotarian』が公式雑誌です。ここには各雑誌について、年間発行回数、ページ数、部数、創刊年月日が書いてあります。そこで日本を見ると、月刊、76ページ、日本語、発行部数が9万5,500部、創刊が1953年とあります。

 RI本部の雑誌『The Rotarian』は1911年に発行されています。部数は現在50万部。日本は9万5,500部で、その5倍しかRIは発行していないということです。世界に120万超のロータリアンがいますが、その人に1冊ずつ送るには120万部を印刷し配布する必要が出てくる。そんな大きなことがRI一つでできるか。やはり地方自治等と一緒で、地産地消、地元で作って地元の人がそれを読むということがよいと段々とRI本部もわかり、1980年にこれを解禁したのです。それまでは公では英語の雑誌だけでしたので、日本語がないのはたまらないと非公式に発行していた訳です。

 『ロータリーの友』は1953年の創刊で、1980年になって初めて発行が解禁されて、2年間の観察期間を設けて、いろいろな条件が出されて、RIから認可を受けました。手引きの6,7ページを見て頂くと、ここに「友の変遷」という年表があります。1953年1月創刊とあり、その時の発行部数が3,300部。当時、ロータリアンが約3,000名いたことがわかります。初めは縦組みでスタートしました。

 手引きの5ページには、『ロータリーの友』出版の経緯があります。1949年に戦後ようやく初めて日本に第60地区ができました。ところが戦後で世の中がものすごい勢いで変化していったものですから、クラブ、会員数ともに増えるのが早い。たった数年で一つの地区では多すぎるようになったため、52年7月から地区を2つに分割するとRIが決め、その時の役員の方々が集まって、2地区になっても互いの意思を疎通できるように、親睦を図れるように、交歓のために一つ協働で雑誌を作ろうとなったのがきっかけです。その時に決まった6つが書いてあります。

 (埆鍵儖会は合議制にする、東京で発行する、0貮定価50円とするが、広告をとって100円の内容とする、せ┿錣量松里蓮悒蹇璽織蝓爾陵А戮箸垢襦↓ゲ書きとする、これは縦書きにするか横書きにするかで意見が分かれ、後日全会員による一般投票を行ったところ、2対1の割合で、横書きが採用されました。α牢号は1953年の1月にする、こうしてできたのが『ロータリーの友』です。手引き6ページには、1972年の1月号で「横組みと縦組みに分ける現在の形式に変更」と書いてあります。横組み一本で始まったのですが、20年かかって現在の形式になりました。

 ということで、現在『友』誌は、1953年1月号から自発的総意に基づいて発行した地域の会員誌・同人誌 情報交換誌、親睦交歓の性格を有し、1980年7月号、地域雑誌の認可を得てからは、RIの機関誌(代行)として、上意下達・下意上通の役割を負っています。

 『ロータリーの友委員会』と『ロータリーの友事務所』の関係について、かい摘んで説明します。1980年に公式地域雑誌として認可を得たそのいくつかの遵守条件に、地区の諮問委員会のような委員会を設置し、出版事業全般について直接その委員会の監督下に置くこと、RIから経済的に自立し長期的には財政基盤を確立すること、RIには損害賠償請求・苦情申立などで迷惑を掛けないようにすることというのがあり、一方、『友』事務所は、職員を有し現業を執行し、不動産を所有し銀行口座を利用し、保険に加入し等様々の契約を締結するという経済活動をしていますので、委員会・事務所であれ、母体は法人組織が最適であるという事情がありました。

 当時の『友』委員会は、条件の指導監督機能の点については、最も効果的な経営体制を作ると言われていますコーポレート・ガバナンスの考え方を参考に、経営基本方針の決定機能と業務監督機能とを委員会の固有の職務とし、業務執行機能・現業部門を『友』事務所の職務としてこれを分割し、『友』事務所の経済活動は法人組織とするのが最適ですから、現在の両『友』体制になっています。手続的には、両『友』ともそれぞれの最高規定で両者の立場を明記しています。

 因みに、『友』委員会は、固有の職員・金銭・財産の所有・保有は一切ありません。
 なお、両者の人事は「地区代表委員」及び法人監事を除き、兼任が大半です。なおまた『友』誌の定価は1975年以来200円です。

 最後に『ロータリーの友』誌の使命は、会員の皆さんに購入いただき、読んでいただかなければ果たされません。『ロータリーの友委員会』、『ロータリーの友事務所』一同、日夜、少しでも皆さんに読んでいただけるよう、手に取っていただけるよう頑張っています。

 どのような読み方でもいいと思います。皆さんの負担にならない、抵抗感のない、それぞれご自分に合った読み方、自然体で、好みに合った読み方、それがいい読み方、「好読」です。負担のない「好読」を続けてください。そしていつしか、「好読」が変じて「愛読」になることを祈っています。


     ※2019年10月16日(水)の卓話をクラブ会報委員が纏めたものです。