卓話


ガバナー公式訪問

2014年7月23日(水)

国際ロータリー第2580地区
ガバナー 鈴木孝雄氏
(東京池袋RC)


 7月1日にガバナーを拝命し、今日で9回目の公式訪問です。

 ガバナーとは、国際ロータリー(RI)理事会の指導監督の下に職務を行う、その地域におけるRIの役員です。地区内のクラブの管理は、ガバナーの直接監督下に置かれます。ガバナーは地区内のクラブに対する指導及び監督を行うことで、ロータリーの綱領を推進する任務を課せられています。ガバナーは地区内のクラブを啓発し、意欲を与え、地区内に継続性を確保するものと定められていますので、しばし、その役目を果たさせていただきたいと思います。

 ガバナーになるため、1月にアメリカ・サンディエゴで開かれた国際協議会で、7日間の講義を受けてきました。全世界からガバナーが集まり、日本からは女性のガバナー1名を含む34名のガバナーが配偶者を連れて参加しました。

 今年度のRI会長になったGary C K Huang氏は、台湾出身の初の中国人ガバナーです。会長は孔子をして、「2500年前、中国にはロータリアンがいた」と仰いました。孔子曰く、「身を正しくして、家庭を治め、そして国を治める」「自分が他人にしてほしい事を他人にしてあげなさい」。まさしくロータリアンだと思います。そして“Light up Rotary(ロータリーに輝きを)”と、今年度のテーマを言われました。我々は常にロータリーを輝かそうと行動していますけれども、この1年は特に輝きをもたらしたいと思っています。

 会長が強調することの一つは会員増強です。118万人位までに減ってしまったロータリアンですが、まず、配偶者や子弟をロータリアンにしてくださいと仰いました。RIとしては、2016年末までに130万人まで回復したいと考えているようです。

 もう一つは、ロータリー財団への寄付です。目標はポリオ撲滅運動で、“End Polio Now”まであと少しです。バングラデシュ、アフガニスタン、ナイジェリアの3カ国を残していたのですが、現在、政情不安で生ワクチンの投与が出来ずに発生が飛び火しています。

 1人150ドルほどで結構ですので、“every year every person”で寄付をお願い致します。寄付の一部は、地区にグローバル補助金として戻され、いろいろなプロジェトに活かされます。

 RI会長がおられる第3660地区、台湾は元気です。若い会員、女性会員が多いのです。ガバナーは女性で、来年も女性が就任予定です。会員が多い理由の一つは、35歳までの会員の会費を半額にしていることがあるそうです。国際協議会中、会長が毎日、壇上で大勢の台湾の方と肩を組んで歌っていました。我々日本人はちょっと圧倒され、“Light Up Rotary”をどのようにしようかと考えながら帰ってきました。

 第2580地区としては、3つ強調したいことがあります。

 まず、職業奉仕の理念を踏まえた上で、すべての活動を進めていただきたい。2020年、日本にロータリーが誕生して100年、東京ロータリークラブの100周年にあたります。日本のロータリアンは、職業奉仕の考え方があるからこそ、ロータリー活動を素晴らしいと思っている方が多いように感じます。

 商人は、江戸時代、士農工商で一番下に位置づけられていました。そうした状況を変えたいと、石田梅岩が商道を説きました。「売り手よし、買い手よし、世間よし」という近江商人の経営理念は、商いとは自分のためだけではなく、社会のためにあるという考え方です。明治時代には渋沢栄一が商売に倫理観を持込み、職業人の地位を高めることに努力しました。「右手にそろばん、左手に論語」で有名です。

 企業の経営倫理の提唱は必要不可欠で、経済社会の健全な発展にはモラル、倫理など精神的な要素が必要だと考えられています。社会の公器である企業の経営理念は、経済活動の利益追求という経済合理性とも合致します。従って渋沢栄一の「道徳経済合一」はロータリーの哲学そのものと言えます。我々がよく口にする“Service Above Self”、自分も儲けていいけれども、その前に他人のために頑張ろう。“One Profits Most Who Serves Best”、そのほうが利益があるという考え方です。職業奉仕の理念をもって、他の奉仕団体との違いを認識しましょう。

 次に、会員増強に努めましょう。ロータリー財団の標語にもある“Doing Good in the World(世界でいいことをしよう)”という活動で、なぜこんなに会員が減ってきたのかを会員同士で話しあっていただきたい。そして、なぜ皆さんが会員でいらっしゃるのか。ロータリーにいいところがある、感激した瞬間が“Rotary Moment”です。それを自分のなかに多く記憶し、皆に話していただきたい。若い方や入会されていない方に入会を勧め、辞めたいと悩んでいる方に留まってもらいましょう。

 また、かつてほとんどのクラブに金融機関の支店長がいらしたのですが、公的資金の導入などがあり、一斉に辞めてしまいました。ぜひ取引メインバンクに声をかけ戻っていただけるように話してください。銀行協会にも同じように要望してきました。証券会社、生命保険会社等にも声をかけていただきたいと思います。

 それから、退会される方の中に、ロータリーの活動をよくわからないうちに辞める方がいると聞いています。こちらのクラブでは、新入会員に研修の時間を持ち、かつ配偶者同伴の歓迎会を催されていると聞き、心強く感じました。地区には研修リーダーがおり、各分区のガバナー補佐が研修委員を務めています。研修委員に、区単位でのセミナー、研修セミナーの実施をお願いしています。

 三つ目が、青少年奉仕活動です。ロータリアンに一番ふさわしい活動だと考えています。新世代にロータリーの理念を伝え理解してもらえれば、精神の継承と同時にロータリアン増加の可能性にもつながります。さまざまな奨学金制度を利用して大勢の新世代が日本で勉強しています。彼らの姿を皆さんに披露し、ロータリーの奉仕活動を理解いただければ、寄付も増えるでしょう。それによって“Light up Rotary”が実現すると思っています。

 このようにロータリアンの奉仕活動が良いにも関わらず、皆さん、じっと心に秘めてきたと思いますが、それではいけないというのがRIの考え方です。公共イメージの向上、奉仕活動の折にマスコミに取り上げてもらえるようにしてほしいと言っています。マスコミ関係の方が東京ロータリークラブには多いと思いますので、ロータリーのイメージアップへの協力をお願いします。

 昨年はロータリーの誕生日である2月23日前後に、人出の多い場所の大型スクリーンでロータリーのPRをしました。今年もロータリーデーと称し、全国のクラブの皆さんと共に活動を行い、注目を集めたいと思っています。

 もう一つ、「ロータリー希望の風」奨学金があります。これは、東日本大震災で片親や両親を亡くされた専門学校生、大学生への奨学金制度で、全国のガバナーの賛同を得て始めたのですが、半分位に減ってしまいました。今また強力なバックアップを得ています。その他、米山奨学会、財団のいろいろな寄付にも協力いただければと思います。

 それから、規程審議会が3年に一度、RIで開かれています。いろいろな規約が変わってきていますので、調べていただけるとうれしく思います。

 また、米山梅吉翁を記念した米山記念館が台風などで痛んできています。第2620地区(静岡、山梨)の方々が面倒を見てくださっており、東京ロータリークラブも多額の寄付をされていますが、ぜひ訪ねていただき、ニコニコボックスをされる、あるいは1人500円程度のご寄付をお願いいたします。日本のロータリー100年を前に、立派なものに戻しておきたいと思います。

 東京ロータリークラブは、豊富な人脈、優秀な人材を抱え、自分のクラブだけでなんでもできてしまうクラブと我々は思っていますし、すべてのロータリアンが東京ロータリークラブを参考にしています。日本のロータリークラブの主導的立場とてして、ぜひその指導力を発揮し、地区にももっと力を貸していただければと思っています。

 来年2月16日、17日に京王プラザホテルで地区大会がありますので、ぜひ大勢の参加をいただきたいと思います。また、2015年6月6日から9日まで、世界大会がブラジル・サンパウロで開催されます。ぜひ我々とともに参加していただき、思い出に残る1年にしましょう。

 “Light up Rotary”、皆さんの英知と仕事上のコネクションを生かし、第2580地区およびロータリー全体を輝かせていただきたいと思っています。