卓話


ガバナー公式訪問

2007年7月18日(水)の例会の卓話をクラブ会報委員が纏めたものです。

RI第2580地区ガバナー 浅川皓司氏

 私は,若い時に東京王子RCに入会して,よき先輩よき仲間に恵まれて,ロータリーライフを楽しんでまいりました。ロータリーで最も大事なことは職業奉仕だと先輩に言われました。昨今の社会情勢を見ますと,モラルに欠ける行動が多く憂慮しております。

私は,ガバナーとして各クラブを訪問しておりますが,ロータリーの職業奉仕に関しては,どんなことがあってもきちっとレクチャーをしてくださいと申しております。

ロータリーの綱領にあるとおり,「職業人として高い倫理観と道徳観を持って仕事に励め。その仕事は,地域社会に受け入れられると同時に,なくてはならないような仕事であれ」ということに尽きると思います。

ガバナーの役目は,地区でただ一人のRIのオフィサーです。RI会長のテーマとメッセージを,まずはお伝えし,そして,それぞれのクラブの現況と活動状況についてRIに報告するというのが務めでございます。

今年度RI会長ウィルフリッド・ウィルキンソン氏は「ROTARY SHARES」という言葉を掲げました。「ロータリーは分かちあいの心」ということでございます。

代々のRI会長が掲げるテーマは,表現は異なっても本質は一貫しています。

まさに「ROTARY SHARES」は,会員各位の専門的知識や経験,社会人としての見識を,必要とする人たちに分かちあってほしいということでございます。

同時に,平和に対する我々の熱い思いや慈愛の心も,ともに分かちあってほしいということだと思います。

ガバナーというのは,いわばメッセンジャーですから,テーマを示すという資格はありませんが,地区を円滑に運営していくために,それなりの想いを申しあげたいと思います。

私は,今年の指標として,「まず,『楽しく、魅力あるクラブ』ありき そして『良き友と共に奉仕を!』」をモットーにしたいと思います。どのクラブにも,それぞれの特徴があります。会員も,そのクラブの伝統,特徴に共感した方々の集まりです。

 それぞれの特徴を活かした,楽しく魅力あるクラブが,その楽しさを分かち合えるような,それにふさわしい会員の増強をお願いしたいと考えております。

 私は,いたずらに増強だ,拡大だと言って,数字を掲げることはしたくないと思います。とにかく,それぞれのクラブが,本当に楽しいクラブであるように再構築をしていただきたいと思います。

楽しいクラブで,楽しいクラブライフを享受されて,そうして奉仕活動をされる。そのような姿を見て,仲間に入れてほしいというお考えの方も出てくると思います。そういう方の中から,皆様が受け入れられるような,ふさわしい人を会員として増やしていただければよろしいのではないかと思います。

ただし,お互いに毎年一つずつ年をとります。会員の平均年齢を現状に保つか,若くするようにお努めいただきたいと思います。

もうひとつ申しあげたいことは,昨今のRIと我々の目指すRCの間には,考え方,進め方に多少のズレがあるのではないかという点です。

 RIは,ロータリー財団の活動について力を入れた広報を行っています。確かに,ロータリー財団の活動にはすばらしいものがございます。しかし,ロータリー財団のためにロータリーがあるのではなくて,ロータリーがあってはじめてロータリー財団があるのだと思います。

昨今の話を聞きますと,まずロータリー財団ありきのようなところが見えるのに違和感をもっておりました。私がもっていた危惧はサンディエゴでの研修で,ある程度払拭され,本来の方向に戻ってきたと感じておりますが,まだ懸念がないわけではありません。

四大奉仕が第一,そして職業奉仕がロータリーの根幹にあるということを,直前会長も現会長も声高に述べておられました。

特に,同じアジア人で,共通の価値観を持つビチャイ・ラタクルさんは,「ロータリーから職業奉仕がなくなったら,他の奉仕団体とどこが違うのだ」と声を大きくして言っておられました。まさにその通りだと思います。

ロータリーの職業奉仕の根幹にあるものは,高い倫理観・道徳観です。イギリスのパブリックスクールで徹底して教育された,Noblesse oblige(高貴の義務)の考え方はロータリーの考え方と共通するものがあろうと思います。高い地位に就けば就くほど,高い倫理観・道徳観が求められます。

職業奉仕の大事さを,もう一度,再認識して実践していただきたいと,お願いしたいと思っております。

クラブの奉仕活動については,クラブによっては,委員長さんと委員だけが活動しているという状況が見られます。すべての会員が活動に参加されるように,お願いしたいと思います。委員長と委員は,会員が参加しやすいようなお膳立てにご尽力ください。

特に青少年交換などでは,送り出した学生さん,お預かりした学生さんについて,担当している会員は,会長,幹事,カウンセラーはじめ関係の方々は一生懸命,面倒を見てくださるのですが,ともすると,十分な認識のない会員がいるケースが見られます。

とにかく一年の間,大過なく生活して送り返せばよいといったことではなく,滞在中の写真を交換したり,手紙で状況を連絡したりして,クラブ同士の理解や親善を深めることがこのプログラム本来の精神だと思います。

東京RCの場合は,委員会の数も多く,どの委員会も活発に活動しておられますことを午前中の会議でたいへん感銘深く拝聴いたしました。通常のクラブでは,これだけの委員会を維持するのは難しいのですが,日本中のクラブが東京RCの活動の状況を範として,それぞれのクラブの活動の参考にしていただきたいと思っております。

私の年次に,地区に三つの委員会を立ち上げました。一つは,ウェッブ委員会です。ご存じのように,私どもの地区は沖縄までが区域です。沖縄から急な会議にお出でいただくのも簡単ではないし,我々もそう度々伺うわけにもいかないので,何かいい工夫がないかと考え,テレビ会議ができるような対応をしようという計画を立ち上げることにいたしました。加えて,地区内クラブに情報を供給できるようにする方法を考えております。現在のところ,地区内のクラブでの一カ月間の卓話の,スピーカーと内容がWebで見られるようになっております。

二つめの委員会は立法案検討委員会です。昨今のRIの規定審議会等で,我々の考えと違うようなことが,時々出てまいります。それに対して,自分たちの意見がきちんと言えるようにしたいというねらいで立ち上げた委員会です。

RIから新たに出される規定,意見などについて,それぞれのクラブでの意見を,地区のほうにお申し出いただいて,立法案検討委員会で検討していきたいと思っています。
三つめの委員会は危機管理委員会です。

 青少年交換プログラムのなかで,海外でのセクハラ問題が出てまいりまして,昨年,アメリカで,RIを相手どっての訴訟になりました。これは,事件が起きた現地ですと,裁判に勝っても金額的に少ないとして,アメリカでの訴訟となりました。裁判の結果,RIが負けまして,20数万ドルの賠償金を払わされました。

RIはこの一件で,たいへんショックを受けまして,青少年交換プログラムについてはヘッジをしろということを言ってまいりました。アメリカから出ている案は,関係者から誓約書をとれというものです。

その内容には,「係わる人全員の犯罪歴を調査することに異論がない」という条項が含まれております。日本は,受け入れられないという姿勢で,独自の対応を致しました。

結局,危機管理委員会を各地に立ち上げ,その集合体をNPOとして法人化し,その法人が,損保会社にセクハラ,虐待についての保険を引き受けてもらうという措置で,経済的にRIに迷惑をかけない形を作ることで,青少年交換事業を続けることができるようになりました。現在,日本国内の34地区全部が加盟して対応することになっております。

ロータリーの組織が大きくなって,物事が形式化するところが多少あるのですが,日本のロータリーは,この東京RCをはじめ,それぞれ選ばれた方々の集まりで,メンバーが腹蔵なく胸襟を開いて何でも楽しく話ができるクラブを構成し,毎週の例会では,それぞれが鋭気を養って楽しいロータリーライフを味わっていただくことが,まず第一だと思います。これが,我々が目指すロータリークラブだろうと,私は思います。