卓話


ガバナー公式訪問

2008年7月16日(水)の卓話をクラブ会報委員が纏めたものです。

RI第2580地区ガバナー
櫻井権司氏(東京武蔵野RC)

 当2580地区で,戦後生まれのガバナーは初めてだそうです。その若さには,自分自身も感心しております。

 2年半前にノミニーに指名をいただき,1年半を経た後,エレクトとして1年を過ごしました。この2年半の準備期間は私にとって大変有意義な時間でございました。

ガバナーになるために国際協議会に出席しました。ガバナーエレクト研修セミナーを受けることが義務です。

セミナーに参加する前に先輩各位から「国際協議会は大変だよ」と聞かされましたが,どう大変なのかは分からないままに,セミナーに参加しました。月曜日から土曜日まで,しっかりとスケジュールが組まれています。この間,ホテルの外には一歩も出ることができません。

大体,午前中は本会議です。1時間半〜2時間の,元RI会長とかRIの現職の役員の方々が「RIの現状とこれからの方向」についてレクチャーなさいます。午後は,各言語グループに分かれて,15〜6人で,午前中のテーマについて,「自分はガバナーとしてどう対応するか。地区のメンバーにどう伝えていくか」という観点で議論します。

この討議は,休憩をはさんで1時間半〜2時間のスタンスで,3回ぐらい持たれます。メンバーは,次々に発言します。自分も,意見をまとめながら,発言の機会を待つという,大変緊張する分科会でした。

やっと夕食になっても,ゆっくりと楽しむわけにはまいりません。夕食後は,分科会での討議内容を地区に伝える方法を吟味したり,「国際祭りの夕べ」の演し物を練習したりしていますと,あっという間に11時,12時になってしまいます。

 以上のような1日が,見事に6日間続きました。なるほど,これが「大変」の中身かと理解し,あらためて,意義深い経験をしたことに感謝いたしました。

先輩方にいわせると「それがロータリーマジックなんだ」そうです。私は心地よく,そのロータリーマジックにかかりました。私は,RIが財団を通して行おうとしていることが,この世にとって,如何に大切なのかを十分に理解して帰ってきたつもりです。

さて,その国際協議会の第1日,本会議の最初はD. K. Lee会長の講演です。

Lee会長の,年間強調事項の第1は「水」でした。安全な水が飲めないがために,1日に,5歳未満の幼児6千人が亡くなっているそうです。

 第2の強調事項は「飢餓・保健」でした。
 十分な栄養を摂れないがために命を落としてしまう子供たちがたくさんいます。10人のうちの7人が,先進国では予防可能な病気なのに,治療を受けられずに亡くなっています。慢性的な栄養失調や寄生虫による疾患が原因である場合も多いのです。

 第3の強調事項は「識字率の向上」です。字が読めないがために不利な状況に置かれるとか,書物から得る情報が得られないために,十分な健康状態を子供にあたえられないことでの問題です。

これら三つの強調事項は,ここ数年,続いています。D.K.Lee会長は「これら三つの強調事項が満たされないために,1日3万人の幼児が亡くなっている。しかも,5歳未満の子供たちだ。私がこの数値を聞いた時は何かの間違いだと思った。しかし,事実であることに驚いた」と話しておられました。

なんとかロータリアンの手で満たしてあげたい。明日に希望を持てるように,子供たちの夢を形にしてあげよう。その思いで,「夢をかたちに(Make Dreams Real)」というテーマが掲げられました。

私たちは,飲み水への不安も,飢餓・保健とも無縁です。識字率に至っては,あったとしても数%です。しかし,劣悪な環境にいる人たちが現実にいることを見過ごすことはできません。

強調事項についての議論は,あまりなされないのが普通ですが,その時々のRI会長が強調事項を取り上げる理由を,理解することは必要だと思います。

それを,すぐにクラブの活動に取り入れるということではなく,RI会長が何に焦点を当てているかについては,ロータリアンとして理解すべきだと思うところです。

ロータリーの奉仕活動と職業奉仕をどう結びつけるかについて,私見を申しあげます。ロータリーが倫理運動であるとすれば,運動体としての何らかの活動が必要です。職業奉仕の精神論だけでは事が進みません。

 私は,WCSにしろ,地域の社会奉仕活動にしろ,奉仕する気持ち,奉仕する行動は,ロータリアン一人ひとりの心の中に「奉仕するという種」を蒔いていくことだと思います。

 そして,ロータリアンが一緒になって奉仕活動をすることによって,その種に水を与え,栄養を与えて芽を出し,次第に,木に育てていくことが,いわゆる精神論としての職業奉仕と結びつけられるのではないかと考えます。

我々は,まず「自分で考える職業奉仕」を描かないといけない。具体的にどういう行動をするのか。どういう行動規範を持ったらいいのかを,一人ひとりが創り上げる必要があると思います。以上が,私の考えている「思い」であります。

さて,地区のあり方についてお話しします。
 ガバナーは71クラブの公式訪問をしなければなりません。私は,12月までは飛び回
ることで終始します。

しかし,地区の委員会はそれぞれに動いています。4月からスタートして実際に活動しています。各クラブも当然7月からスタートしています。

スタートに際しては,それなりの計画を立てて1年を見通して活動するのですが,時として,変更の必要に迫られる場合があります。

あるいは,思わぬ問題が起きて,方向性を少し是正する必要が起こる場合もあります。

地区委員会が,クラブのためにと思って一生懸命活動しますが,まれに,クラブのニーズに沿っていない活動計画を立ててスタートしてしまったというケースもあります。

残念ながら,ガバナーの力で,途中で修正することはなかなかできません。

RCは単年度制ですが,連続性を持ったビジョンを根底に置くべきではないかと考え,地区の組織を少し変えて「室制度」を設けました。各分区にガバナー補佐を一人ずつお願いして,ガバナーの代人として各クラブとの情報交換を司っていただきます。

併せて,委員会を管理する立場の室長を置きました。今までは,4大奉仕があって,それぞれの奉仕部門がありました。しかし,どうも最近それが崩れて,例えば,国際奉仕は本来なら部門なのですが,国際奉仕委員会の中に,青少年交換委員会があって,委員会がほぼ並列に考えられるようになってしまいました。

 指導・管理の系統について,若干の疑問をもったものですから,改めて,室の組織の中に室長という立場の人を置いて,各委員会を管理していただくことにしました。

ガバナー補佐と室長は定期的に会合をもつことによって,それぞれのクラブの情報を会議に持ちこんでいただく。そして,何か問題があれば,すぐに地区委員会で対応できるようにする。その委員会には室長にも参加していただいていますから,すぐに対応できるのではないかと考えております。

 逆に,地区委員会が,これこれの活動をしたい,こういう計画がある,こういう活動を準備して動き出したという時に,よく考えてみると,決してクラブのためにならないのではないかと考えられる場合,それらをガバナー補佐の皆さんにチェックしていただいて,本当にクラブのためになる活動をやっていこうという結論を導き出す調整機関を設けたわけです。
 
1年の間,一度立てた計画のままに突っ走るのではなく,何かあったら,すぐに調整しようよということで,私も当然そこに参加しますから,私が知り得た情報を提供します。ガバナー補佐と室長は,私と同じ情報を共有することができます。地区のリーダーたちも,同一の情報量で,一つの方向性に向かえるのではないかと思います。

できたばかりで,「室」はまだ少し混乱していますが,できるだけ早い時期に,組織改革の成果を,十分に活用していただけるような体制に整えたいと思っております。

 2580地区の会員数は,残念ながらマイナスのスタートでした。一人でも多くの手で,夢を形にするために,会員の増強は大切です。会員増強に関して地区の考えていることを述べる時間がありませんが,地区としてもクラブに対する協力を惜しまぬ所存です。