卓話


米山月間卓話「米山奨学事業の現況」 

2005年10月5日(水)の例会の卓話です。

(財)米山記念奨学会 宮崎幸雄
米山奨学生 Ms.Nguyen, Thi Cat Uyen

第4073回例会

 敗戦後の復興が続く1952年、当クラブに古沢丈作氏を委員長とする、日本で勉学・研究を志すアジアの留学生を支援する奨学金「米山基金」が設立されました。その後、国内全クラブに呼びかけて、「ロータリー米山記念奨学委員会」が結成され、日本ロータリーの地区合同事業となり「財団法人ロータリー米山記念奨学会」が誕生したのです。

 先達の多くは、戦争の過ちを二度と繰り返さない誓いと、世界に「平和日本」の理解を促す願いがありました。アジアから若者を日本に招き、平和を求める日本人と出会い、互いに信頼し合う関係を築くことを希求したのであります。

 米山梅吉翁の功績を記念して創られたこの奨学事業は、これまでに世界104カ国・1万2千人を支援し、民間では最大の奨学財団となりました。

 その特徴は、世話クラブとカウンセラー制度であります。今年度当クラブのカウンセラーは田口栄一さんです。

 そして地区米山委員として小野さんが、また、米山奨学会学務委員として植田さんが奉仕をされています。

なぜ留学先に日本を選んだのか。
日本留学を終えたあとの将来計画

米山奨学生
Ms.Nguyen,Thi Cat Uyen

私は現在、目白大学の人間社会学部、社会情報学科に在籍しています。テーマは社会の中での人間のあり方、情報産業との取り組み方、インターネットの活用、商品開発の方法など、これからのコンピューター社会で正しい情報の選択方法や、効果的な商品 宣伝の手法などを勉強しています。現在インターネットが急速に発展してきて、インターネットを使えば、殆どいながらにして必要な情報が得られ、又自分からも情報を発信していくことが出来ます。

 火星に着陸した宇宙船から発信された火星表面の鮮明な画像をリアルタイムでインターネットで見られることに、本当に感動しました。このような素晴らしいインターネットと言う情報伝達手段を使って、日本とベトナムの経済、文化の交流の何かが出来れば素晴らしい事だと考えています。そのためにはベトナム語による「日本データバンク」のような物が出来ないかを研究して行きたいと考えています。

 目白大学を卒業した後は、ベトナムの大学で勉強した自分の専門分野の法律を2年間程勉強し、その後帰国して弁護士の資格を取るつもりです。インターネットを駆使して、父の籐の製品を世界中に輸出することを助けながら、弁護士として、日本との経済交流活動に関わりたいと思います。

 一方で社会の弱者である両親のいないストリートチルドレンの社会復帰を助けると同時に、ダイオキシンによる身体の不自由な人々、生きるために小さな社輪が付いた小さい板切れに乗って地面を這いながら物乞いをしている人々に、少しずつでも車椅子を無料で提供する社会奉仕活動もやりたいと考えています。彼等も人間として生きる権利を持っているのですから。

 私は日本を留学先に選んだ理由には、父の仕事と関係があります。父は籐の籠や家具などを製造して、日本へ輸出しています。その仕事を手伝っている時に、いろいろな日本人から日本という国について聞き、近くて余り知らない国に興味を持ちました。商談は殆ど英語でしたが、余り英語が上手でない父を通訳しながら、日本人の商品に対する繊細な要求にとまどう事がよくありました。それらを理解しようと、日本に関する本を読みましたが、殆ど歴史や経済に関する事で、日本の社会や文化に関するものがありません。そこで自分自身が日本に留学して、日本という国や文化について体験してみようと思いました。実際に日本に来て、日本の近代化は生産の効率化による生産性の高さとコストを削減してきたことが大きい要因だと分かりました。それを助けたのがロボットやコンピューターを使った生産システムであり、省力化のためのコンピューターの利用でした。駅で改札口から料金の精算までコンピューターでやるし、電車の運転もコンピューターで管理されていて、殆ど時間どおりに運行しているので、大変驚きました。更に目を見張ったのがインターネットの普及でした。パソコンが一台あれば殆ど何でも出来る程、日本は情報通信分野が発展していました。これからのベトナムでも最も必要とされるのは、インターネットなどによる情報通信分野である事を痛感しました。そこでいろいろと調べた結果、インターネットの活用方法、商品開発のやり方、正しい情報の選択方法などが勉強できる目白大学に入学しました。 

 日本での勉強を終えて、母国ベトナムに帰りましたら、大学で学んだインターネットや商品、情報に関する知識を生かして父の工場経営を手伝い、又ストリートチルドレンの救済などを通して国のために貢献したいと考えております。

 日本はベトナムに比べて、色々な面で進んでいます。日本に留学して、少しでも多くの事を勉強したいと思っておりましたが、今までは生活のためにバイトをしていて、時間的に余裕がなく悩んでいました。したがって、今回米山奨学生に選ばれたことを本当に感謝しております。これからは安心して頑張って勉強に集中出来ます。本当にありがとうございます。

 これから日本とベトナムの関係はもっと深くなっていくと思いますが、米山奨学生として、その橋渡しに少しでもお役に立ちたいと考えています。