卓話


私とロータリー

2021年7月14日(水)

副会長 渡邊泰彦君


 先週の例会における小島会長、國分幹事の挨拶をかわきりに、新年度が始まった。小島会長の掲げたテーマは「絆」である。人と人との出会い、触れ合いを大切にする、その「絆」がより強く、そしてさらに大きく広がる一年になることを期待し、微力ながら少しでもお役に立てればと願っている。

 私の岳父、服部正次が1972年に当クラブの第53代会長を務め、また義兄、服部一郎も会員だったので、その頃から私もロータリーの存在について認識していたが、さして強い関心を持ってはいなかった。その後、49歳になった1991年に赴任先の京都RCに入会したのが初めてのロータリー体験で、94年には名古屋RCに転じた。ただ、両RC在籍中は出席もままならず、ロータリーの意義、真の価値についての理解は、極めて浅薄であった。

 2009年に、福澤武、奈良久彌の両氏にお勧めいただき、当クラブに入会してからは、例会や各種催しに参加することで、ロータリーへの親しみがわき、つれて理解の度合いも遅ればせながら深まってきた。会計や、環境保全委員長などを仰せつかったことも良い経験となった。

 入会まもない時期に、カンボジアの地雷除去事業が10年の節目を迎え、現地の完遂式典に参加した体験を経て、ロータリーに向き合う私の姿勢は大きく変わった。カンボジア最大の地雷埋設地域と言われるタイ国境周辺で進められた当クラブ主導の「クリアランド・プロジェクト」が、120ヘクタールの土地から5400個あまりの地雷を除去したのだ。高床住居の土庭で、裸足で無邪気に遊ぶ子供たちの姿、のんびりと寝そべる飼い犬、そんな平和な光景が村に戻ってきた。それまで、子供達は地雷の恐怖で学校に行くことさえも叶わなかったのである。

 個人の力ではおよばない大きなプロジェクトを、10年の歳月をかけてやり遂げたロータリーの力は、その後の「東北すくすくプロジェクト」でも、大きな成果をもたらした。災害を生き延びた母子に、憩の場を提供する息の長い事業を、現地で確認した旅は忘れがたい。カンボジアにも東北にも、家族を伴って訪問したので、我が家では、今でもこの印象深い旅について語る機会が少なくない。100周年を契機に新たに検討されている中期的プロジェクトへの期待も膨らむ。

 もう一つ、大切だと考えているのが「四つのテスト」だ。「真実かどうか」「みんなに公平か」「好意と友情を深めるか」「みんなのためになるかどうか」今まで、何回か海外のクラブでメイクアップしたが、「四つのテスト」のプリントが席上に置かれていたり、例会冒頭にみんなでこれを復唱するクラブが多かった。この「四つのテスト」は、のちに国際ロータリーの会長も務めたH.J.テイラー氏が考案した言行規範で、今では世界中のロータリアンに受け入れられている。ロータリーの意義をどのように解釈し、いかに自分に重ね合わせるのかは、個々の会員によって様々であろうが、この「四つのテスト」には、曖昧さがなく、極めて明確であり、それが多くの人々の心に響く所以なのだろう。

 四度目の緊急事態宣言下のスタートとなった新年度であるが、ロータリーの原点である「奉仕の理想の実践」と「親睦」はどのような状況下であれ、大切にしたい。